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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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同時多発テロ-11

「まだ警視総監の生存が確認されていないが、あの状況では生存は厳しいだろうし、救出されても職務をこなす事は困難だろうとの見解でね、始めは本日中に生存が確認出来ない場合、その時は君に任せようと言う話であったが、しかしそんな余裕さえない状況に置かれている事を考えると、最低この事件が解決に至るまではすぐに君に任せようと言う判断だったんだよ。警察庁の方達も君のことは理解している。椅子に座って指揮を執る事に納得し我慢するような人間ではないと言う事をね。だから今まで通りに現場に出向き捜査をしながら総監の役目を果たして欲しいとの事だ。だから十分に身の安全には気をつけるように…。いや、総監に対しての言葉遣いではなかったな!十分に身の安全にはお気をつけて捜査に励んでいただくようお願い致します、か!」
「そ、そんな…やめて下さいよ…」
肩を竦める若菜。こんなに恐縮する若菜の姿を見るのは全員が初めての事であったし、若菜もこんなビビる姿を見せるのは初めてだったかも知れない。若菜は本当に自分が今立っているのかどうかも分からない程に身の縮む思いをしていたのであった。

そんな若菜に中居は、普通の人間なら押し潰されてしまうであろう程のプレッシャーを感じる事必至の言葉を若菜にかける。それは若菜であればプレッシャーに潰されるどころか進むべき道を見据える事が出来るだろうと言う確信をもとに発せられた。

「いいか、君が戸惑っていれば日本の警察は全て戸惑う事になる。不安になれば日本の全国民までもが不安になってしまう。テロに屈するのか、それとも立ち向かうのか、それは全て君にかかっているんだ。我が萬岸署の署員だってそうだ。」
若菜が半ば虚ろな目で周りを見渡す。1人1人の顔をゆっくりと。するとそこにいる署員達全員が戸惑い不安を隠せない様子の若菜を心配するかのような目を自分に向けている事に気付いた。大丈夫なのだろうか?辞退した方がいいのではないか…、そんな言葉を視線の中にひしひしと感じたのであった。それは自分がいかに不甲斐ないかを思い知らされる視線であった。

若菜は天井を見上げ目を閉じ大きく息を吸い、そしてゆっくりと吐いた。まるで自分の弱さを体から抜くかのように。そして顔をゆっくりと下げ目を開けた若菜は、気負いも強がりも感じさせない極めて自然体な姿で言った。

「テロには負けたくない。いや、負けません。」
と。その瞬間、全署員の目に活気が宿った。若菜の言葉に全員の思いが一つになったのであった。テロには負けない、と。そして若菜に全警察官が敬う、威風堂々としたいつものカリスマ女刑事の姿が蘇ったのであった。

警視総監、上原若菜が誕生した瞬間であった。


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