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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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ニューリーダー-1

本当は萬岸署の屋上へ行き、夕暮れの空を見上げながらこれからどうやって大役を遂行していくか考えたい所であった。父の死、静香のおかげで何とか刑事をやってこれた刑事になりたての日々、自分の腕の中で死んだ静香への思い、そして訪れた絶望の日々からの復活、田口への復讐とともに犯罪者として服役した刑務所での日々、その最中の母の死、出所後に訪れた俊介との結婚と職務復帰。出産…。それらを緩やかな時の流れの中、思い返したい気持ちで一杯であった。しかしそんな暇はない。感傷に浸っている間も、テロリストは小さな幸せを奪おうと今も同じ空気を吸っている。

自分の過去から導き出された答えは警察への恩返しだ。殺人を犯した自分をここまで育ててくれたのは警察だ。田口徹に奪われそうになった命を救ってくれた静香も警察官だ。家族との幸せの時間を犠牲にし、自分達家族を、逆恨みで襲われる事から守ろうとしてくれた父親も警察官だ。そんな警察組織の中に身を置けている幸せと語り尽くせない程の感謝を胸に若菜は警視総監として直ぐに動き始めた。

「早速ですが、まず各所に突撃した航空会社であるAMAへ行き、機長の確認と、それまでに怪しい動きがなかったかなど聞き込みに行って下さい。それとこれで攻撃が終わったとは限らない。現在飛行中の旅客機など、不審な動きをしてる機体がないかも監視して!AMAだけでなく全航空会社に出向かせ状況確認をお願いします。それと当然サーガの居場所を突き止めるべく、あの映像の発信源を突き止めて下さい。そう簡単には突き止められないよう複雑な経路を使っている事は確実でしょうね。でもどんなに強く絡まって解けそうにない糸も、根気よく解けば解けるものだわ?テロリストの糸を結ぶ力が強いか、警察の解く力が強いかの勝負です。ここは死んでも負けられない。どんな手を使っても糸は解かなきゃね!加えてNシステムを確認して本村沙織さんらが拉致された場所からの車両の動きを明らかにしなきゃね。相手も馬鹿じゃないからNシステムで足がつかぬよう事を運んでるでしょうけど、必ず手掛かりはあるはず。警察のNシステムをナメンナヨって感じよね。よーく目を凝らしてチェックして下さい。それと旅客機が突っ込んだスカイツリー、警視庁、国会議事堂、都庁の捜査と張り込みをします。こーゆー世間を騒がせる奴らって自分の成し得た結果をその目で見て優越感に浸りたいと思うアホな奴らが多いからね。不審者がいたなら迷わず職質してちょうだい。」
署員らは、ハイ、と、実に統率された返事を響かせた。
「マギーは都内と近隣県警と連携を計り捜査状況の共有を心掛けて?変な隔たりは要らないわ?どこの県警の手柄とか興味ない。手柄欲しさに情報を出し渋る事があるようなら直ぐに私が殺しに行くと言ってちょうだい。マジだから!」
「り、了解です…!」
過激な発言にも凛々しさを感じるカリスマ性溢れる姿を見せる。

(さすが…!)
中居は感心した。上原若菜が上原若菜である所以を感じた。そして最後にこう付け足したのは、やはり若菜らしい事であった。

「あとね、私の警視総監就任パーティはテロリストどもを一網打尽にした後にしてよね?今夜は悪いけどデートの約束があるから無理!!あ、私のダーリンには内緒ね??」
ウインクしながらシーッと言う仕草を見せておどけてみせた若菜に署内は笑い声につつまれた。

(大したもんだ。さすが上原刑事の娘さんだ…。)
萬岸署の署長の中居もまた、若菜の父、上原正芳に刑事のイロハを教えてもらった刑事の中の1人なのであった。地方警察署の一刑事…そんな仮の姿を持った伝説の公安、上原正芳。若菜の知らぬ父の姿が目の前の若菜にダブって見えた中居であった。


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