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愛獄戯館
【SM 官能小説】

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愛獄戯館-12

やがて肉芯に血流を迸らせ、頭をもたげようとしている肉棒は捩じれるようにふくらみ、鋏の
鋭く尖った先端で弄りまわされるほどに泡立ち、亀頭のえらがえぐれ、肉棒が烈しくそり返り、
しっとりとした透明な樹液を滲ませようとしていた。そのとき老翁は初めて自分のものの蠢き
を感じた。まるでユミコの手に操られるように老翁の不能だった肉棒は甦るように硬さを増し、
ぬらぬらとそり返りながらいきり立っていく。

ユミコは酷薄な笑みを浮かべ、ゆっくりと老翁の下半身に跨る。屹立したものをめがけて真っ
白な腿のつけ根を開き、自らの割れ目にあてがい、ぬるりぬるりと自分の中に含ませる。老翁
はそのとき初めてユミコと言う女の体温がもつ狡猾さを身に感じた。生あたたかい襞はまるで
薔薇の棘となり、彼のびくびくといきり立つ男根を、残忍な毒蛇の牙となって少しずつ、ゆっ
くりと時間をかけて嬲りはじめる。ひくひくと蠢くユミコの肉襞がうねり、たわみ、彼の肉幹
をきりきりと喰い絞める。

それはまるで老翁の下半身に流れる血脈を止め、包皮を毟りあげ、肉幹を引き裂いていくよう
だった。やがて老翁のものが彼女の膣壺に奥深く潜んでいったとき、肉棒が鞭打たれるような
苦痛の震えが老翁の脊髄を電流のように走っていき、結合した互いの性器の痙攣が共振するよ
うに烈しさが絶頂に達したとき、老翁は烈しくのけ反り、びくんと伸び切ったものの先端から
どくどくと白濁汁を垂れ流し、汁は搾りとられるように彼女の中に吸い込まれていく。

その瞬間、老翁は白目を剥いて意識を失いかけていた。

老翁の顔を覗き込んだユミコは、あなたはわたしに対する欲望と快楽の意味をやっと知ったわ
…そう小さく呟き、縮んでいく老翁のものを嘲るように眺めながら手にした鋏の刃を開くと、
彼の萎えていくペニスの根元にあてゆっくりと肉幹を挟んでいくのだった…。


………



深い眠りのなかで見た遠い記憶の果ての夢だった…。

今年、八十五歳を迎えたケイジロウは、行く末も長くないとはいえ、こうしてまたクリスマス
を迎えることができたことに深い溜息をついた。この老人施設に入ってから何回目の聖夜だろ
うかと、窓から見える小高い丘にひっそりとたたずむ古い教会に目をやると、鐘楼を縁取って
いるイルミネーションが煌びやかな光の粒におおわれている。クリスマスの時期になると施設
の看護師が彼の部屋をあの丘の教会が見える部屋に移してくれる。

夢の中であの老翁の顔がケイジロウの顔と重なり、身体の肉奥で恍惚とした色を孕み、ゆらい
でいた。数十年前のあのときの老翁とユミコさんの奇怪な事件…老翁の切り取られたペニスと
鋏を手にしたユミコさん…。彼女は殺人の疑いで警察に逮捕されたが、ふたりの関係の経緯に
不可解な点があること、また老翁の一命がとりとめられたことによって、ユミコさんは釈放さ
れたと聞いたが、その後ユミコさんは消息を絶った。老翁は不治の病で一年後に病死したが、
あの事件については一切語ることはなかったという。事件以来、ケイジロウは《あの瞬間》の
夢を見ることが多かった。

あの瞬間…それはユミコさんが手にした鋏が老翁のペニスにあてられ、下半身のものが切り取
られる瞬間であり、その夢を見るたびに彼は烈しい夢精をくりかえしていたのだが、その夢に
よってケイジロウ自身もあの老翁と同じように性の機能を失った。いや、失ったときからさら
にユミコさんに対する情欲は強まるばかりだった。


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