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悦子の悲しい想い出
【SM 官能小説】

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悲しい傷跡-5

退院するときでした。
 抗議するために院長に会いに行きました。
 「まぁ、ご覧なさい」
 すると、院長が笑いながら卑猥な写真を私に見せたのでした。
 私の責められて、喘いでいる、恥ずかしい痴態が何枚も映っています。
 私の股間が大きくアップになっているのもいっぱいあります。
 私は、無駄だと知っていましたが、写真をビリビリに破りました。
「まぁ、そう怒らないで!
 よく写っているよ。
 ごらん!……スタイルも良いし、喘ぐ顔もそそられるし、あそこの締まりもなかなかのものだ。
 このままモデルになれそうな体つきをしている。
 男心をくすぐる良い顔立ちもしている。
 どうだ、ものは相談だが……。
 ひとつAVに出てみないか」
「いやです。……なんということを言うんですか。
 あなたがたのしていることは犯罪です。これから被害届を出しに警察に行くつもりです。
 隣のベッドに寝ている方も、あなたを恨んでいます。
 私は決してあなた方を許しません。
 それを、なんですか!AVに出るなんて!
 そんなこと絶対できません」
「そうはいっても、いいかね。良く聞くんだ。
 昨日の一件は、すべて動画にとってあるし、……AVの監督に見せたら、この人なら、最低十本は稼がせてもらえるっていうんだ。
 とりあえず、今回のお手伝いというか、撮影のお礼だ」
「お礼?……撮影?……いい加減にしてください!」
「まぁ、そう怒らずに!
 その封筒の中を見てから、気持ちを聞かせてもらいたいもんだな」
「お金なんて……」
「まぁ、とにかく、見てみなさい」
 怒る気持ちを抑えて、机の上を見ると、厚い封筒がありました。
「昨日の三組のご夫婦からのご祝儀も加わって、……かなりの金額になっているが……」
 思わず封筒を手に取り、中を覗くと、結構な枚数があった。束になっていて、ちょっと見には数えられないほどの万札が見えました。
「もちろん搔爬の手術代金は不要だ。これは、純粋にお嬢さんへのお礼だ。
 昨夜は大変満足したと、皆さん喜んでお帰りになったんだ。
 普通の人のお礼の倍近い金額が入っているんだ。
 海外旅行も、楽々タヒチくらいまで脚を伸ばして遊びにいけるんじゃないかな?
 それでも、それを受け取らずに、警察へ行くかね。
 まあ、悪い話じゃないからどうかな」
「ホントに……そんな気持ちには……」
「ここに、ちゃんと手術の承諾書もとってあるよ。
 ここのところ、読んでみようか。
 ”妊娠中絶の手術を非合法に行うことに同意いたします。また、非合法であることを無理にお願いしたので、医院並びに院長のあらゆる申し出をいっさい拒否しません”
 と書いてあるぞ。
 そして君のサインと印だ。
 君は出るところへ出れば、結果はどうかな?
 なにより、それにかかわる時間も、お金も、……そして若さも……。
 裁判の期間は長いよ。すべてを失うかもしれないんだよ」
 院長のでたらめな説明も、そのときはまともなものだと思ったものです。
「そんなこと、……言われても……」
「なぁ、よく考えて見ろよ。
 君は物わかりのいい女じゃないか。
 君は……良いAVスターになれるよ。
 そうすれば、まとまった金も入るよ。この十倍以上も……。
 その金で再出発もできるさ。
 君はSM関係はすべてこなしているし、潮だって噴くし、レイプだって、グループものだってみんなOKだよ。
 われわれが実証済みだ。
 僕の奨めることに間違いはないよ」
「でも……」
「ほら、やはり、理解があるじゃないか。
 迷っていると言うことは、いろんなことを天秤にかけて考えている証拠さ。 
 君の触手が動くのがよくわかるよ。
 なぁ、君は切り替えが上手だ」
 私は、院長の顔を見てしまった。院長の目に吸い込まれるような気分になりました。
「さあ、裏口にワゴンが止まっている。
 監督に、君を説得するように頼まれているんだ。
 たぶん、監督が待っているはずなんだ。
 だから、急ぎなさい」
 私は院長の思うつぼに、はまっていくのがわかりましたが、なすすべもありませんでした。


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