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悦子の悲しい想い出
【SM 官能小説】

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悪夢のはじまり-1

花森悦子の悲しい想い出(華麗なる変身)

第1部  悪夢のはじまり

 私、花森悦子は木星社というタウン情報誌の出版社に勤めています。この木星社というのは、裏では企業の情報入手のスパイ活動をしているところです。
 これからお話しするのは、私がこの木星社に入る前に、ある商事会社にOLとして勤めていた頃のことです。これは、想い出すことすらおぞましい、そしてその度に悔しさと悲しさがこみ上げてくるようなお話です。

私が友人と三人でインドネシアのバリ島に行ったのは、今から23年も前のことでした。私が23才のときでした。熱帯でのさっぱりとした暑さと晴れ渡った青い空、色鮮やかな熱帯魚の泳ぐきれいな海、すてきなコテージでのバカンスは、心の中までリフレッシュするものでした。しかも若かっただけに、日本を離れてのバカンスには付きものの、男女のできごとも、もちろん期待していました。
 さて、マリンジェットの体験で沖合に出たときのことでした。現地で知り合った若い男たちと私たち三人はそれぞれ男の後ろに抱きつきながら、海上をスリル満点で走りました。沖合に小さな岩でできた島がありました。その近くに来たときのことでした。私のマリンジェットが横波を受けてひっくり返ったのです。
 私も男も海の中に投げ出されました。沖合といっても遠浅で、背もつま先で立つところでした。
 男が、すまないと謝りながら心配して近づいてきました。そして、私を再びジェットに乗せるために抱きかかえてくれました。
 そのとき男の手が私のビキニの水着に触れました。片手で胸を、もう片手でお尻の布をつかんでいたのです。そして後部座席に乗せるふりをして、わざと何度も海の中に落としたのです。男は水で滑ってうまく乗せられないと謝りながら、その度に私の身体をあちこちを触ってくるのでした。
 もちろん、ふざけていたのはお互いにわかっていたのですが、気が付くといつのまにか捲れた水着の裾から奥に、男の指が入っていました。私はもうすっかり興奮してしまい、海の中で男とキスをしました。男も私の胸を揉んだり、秘裂に指を這わせてきました。
 そして、ついに島の岩陰で水着を外して大胆にも真昼の太陽の下で抱き合ったのです。気が付いて周りを見回す余裕が出てきたのは、一回目の絶頂の後でした。激しい息づかいを整えながら、虚ろなまなざしで横を見ると、友達の二人も私と同じように両足を大きく開いて挙げていました。宙を舞う足の指先が反っていたり、ふくらはぎが小刻みに痙攣していました。
 女三人の激しい息づかいと悩ましい声があたりに響きわたっていました。でも私たちは、周りに人目がなかったことと日本から遠く離れた島だったこともあって、この時はさんざん羽目を外してしまいました。何回も何回もパートナーを交換しました。思い切りの声も何度出したことでしょう。声がかれるくらい存分に楽しみました。数えられなくらいの絶頂に達して、最後は立ち上がることもできないくらいでした。
 水着を着けたのは日が傾いた頃でした。ビキニのパンティを着けようとすると股間から太腿に男の精が伝わって垂れていきました。どのくらい男の精を身体の奥に受け入れたのでしょうか。

 日本に帰って数ヶ月後、予定日を過ぎても生理がこなかったのです。
(妊娠したのかしら)
 やがて朝起きたときや食べ物を見たときに吐き気がするようになりました。本を読むとどうやら妊娠に間違いないようでした。不運なことに妊娠したのは私だけで、もう二人はさり気なく避妊していたのでした。
(堕すしかない。……初めての妊娠だったのに……)
 友達に騙されたような、泣きそうな気持ちで近くの産婦人科に行きました。
 それからです。私の運命がすっかり変わったのです。



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