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銀の羊の数え歌
【純愛 恋愛小説】

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銀の羊の数え歌−1−-3

『柊由良』
男だろうか、それとも女だろうか。判断に悩む名前だ。そこまで考えて、フッとある映像が脳裏をよぎった。なにかな、と思う前に、それが誰であるかが分かった。
さっきの、窓越しに目が合ったあの女の人の顔だ。そういえばあれから見ないな、と思う。職員室での挨拶でいなかったという事は、ここの職員ではなかったらしい。
(……だとしたら、もう会えないのかも)
そう思ってから、自分が随分とおかしな事を考えているのに気が付いて、思わず苦笑がもれた。彼女にもう一度会えたからってなにがどうなるわけでもないのに。たった一度、しかも目が合っただけの人に会いたいだなんて僕もどうかしている。だいたい僕がそんな事を願う理由なんて、どこにもないはずだ。そうじゃないか?


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