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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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面影-3

下條は特に不審な様子など見せていない。知っている事を正直に話している様子が伺える。
「サーガとは最近会って話もしてません。彼が何を考えているのか分かりません。しかし昔から彼が良く言っていた言葉があります。」
「何です??」
「世界征服…。どこまで本気で言っているのか分かりませんが、彼はその言葉を良く口にしてました。」
「世界征服…」
ザックリし過ぎていてイメージが湧かない。若菜も考え込んでしまう。
「サーガは裏信者を増やしているようです。」
「裏信者?」
「ええ。表立っては信者である事を伏せておき、一般人に紛れて普通に生活してる信者です。かなりの数だと聞いてます。サーガは政治の世界に入り込み、やがては日本を操ろうとしてるのではないかと。」
「選挙に出ると…?」
「ええ。正義と悪なんて実に抽象的なもの。悪の数が正義の数を上回れば、悪は正義になる。裏信者がその仮面を脱ぎ、その数が正義を上回れば悪は悪でなくなる。彼ら中心の支配下において正義は抑圧されてしまう。世界征服は難しくとも、日本征服はサーガにとって手の届くものだと考えているのでしょう。それにもしすでに政治家、特に国会議員の中に裏信者がいるとするなら総理大臣への道もそう遠くはない。サーガは石橋を叩いて渡るタイプ…。目的の為にありとあらゆる準備は怠らないでしょう。まさに着々とその準備をしているのかも知れない。」
若菜は腕組みをして難しそうな顔をした。
「そう来たか〜…。総理大臣と来たか〜。」
本当にそれが目的かどうかは分からないが、それも全くない話ではないと思った。だいたい悪徳宗教団体の教祖など私利私慾の強い人間がなるものだと思っている。みんなを幸せに…、そんな立派な教祖がそう簡単にいる訳がない、そう思っている。サーガは恐らく一宗教団体の教祖というちっぽけなリーダーには目もくれないのだろう。サーガを利用して日本の独裁者になろうとしているのかも知れないと思うと、下條の言う事の可能性は高いかなとも感じた。
「ところであなたはフルアの代表になり、富をえようとは思わないの?」
下條は素っ気なく行った。
「私は教祖ではなく代表です。私利私慾にかられているなら今すぐ教祖になってますよ。私は深野浄京教祖の復帰を心待ちにしてます。私はあの方に心底尊敬してるんです。悩める信者の悩みや不安を消し去り、生きる喜びを思い出させてあげる事が唯一の欲です。その結果、自分にフレアはもう必要ないと判断したのなら私は信者を快く退会させてあげるでしょう。」
若菜はニコッと笑う。
「素晴らしいですね、あなたは。」
そんな若菜の言葉にチクリと刺さる棘を感じた下條であった。


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