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横浜発 7:54
【女性向け 官能小説】

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-5


一斉に改札に向かう人の波の中で
肩を抱かれて、端による。

「ごめん。それもう1回貸して」

そう言って私の手の中から名刺をそっと抜いて。
裏を向けると英語表記になっていた。

「あ〜・・・書くトコないな」

そう言って舌を軽く鳴らして。
やっぱり表に向けると小さな空きスペースにスラスラと携帯の番号を書いた。

「今日の午前中に必ず電話して」
「え?」

そう言いながら私の手に名刺を戻すと
「会議が長引いたら電話は取れないけど、折り返しする」
「・・・・」

「お昼を一緒に食べよう」

爽やかに笑うその顔は、昨日時計を見た時の不機嫌な顔とどこか似ていて可愛かった。

「今日はお弁当、なんです」
「そうか。じゃぁ夜にご飯を食べに行こう」
「え・・・あの」

「ごめん。朝一で会議が入ってるんだ。
本当は15分早いのに乗りたかったんだけど
どうしても『今日』キミを捕まえたかった」
「・・・・」

「俺、走っていくからこれ以上話せないんだ。ごめんな」
「いえ・・・」
「じゃぁ電話待ってるから」

そういって、スマートに人ごみを抜け
改札の向こうに消えて行った。




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