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「柔らかな鎖」
【SM 官能小説】

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「柔らかな鎖」-2

約束の1つめは、目を合わせないこと。
 約束の2つめは、許可なく話し掛けないこと。
 約束の3つめは、命令には絶対服従すること。

 このうち、1つめと2つめは、セッションというものの間だけ有効なのだそうだ。セッションの開始を由布さんが宣言したら、それからは目を合わせたり話し掛けたりすることが禁止される。そして、セッションの終了を宣言するまで、由布さんだけでなく他の人に対してもその約束が適用される。他の人ってどういうことなのか、よくわからないけど。
 3つめの約束はちょっと違う。セッション中でなくとも、由布さんの命令には絶対に服従しなくてはならない。

「約束が守れなければどうなるんですか?」
「罰が与えられるんだよ。罰には特に決まりがあるわけじゃないけど、体を傷つけたり痛くしたりすることはない。軽く拘束することはあるかもしれないけど、それだって縄で縛ったりするわけじゃないよ。ただ、軽い罰から重い罰まであって、一番重いのは、僕が響子を捨てることだ」
「……もしも、私の方が由布さんから離れたいと思うようになったら?」
「響子、今からそんなことが心配なの?こんな話をしたから僕が怖くなった?」
 由布さんは悲しそうな顔でそう言って私の顔を覗き込んだ。
「大丈夫だよ。心配しなくても、響子がもう僕の命令には従いたくなくなったら、いつでも終わりにできる。そういう意味での最終的な決定権は響子の方にあるんだよ。ただ、約束を守る気がある限りは、響子は僕のものだ」
 由布さんの言葉はいつも通りもの静かだったけれど、その奥に有無を言わさない響きがあることにその時初めて気がついた。

 5分考えて、私は由布さんと3つの約束を交わすことに決めた。私はすっかり由布さんに魅せられていて、由布さんから離れることなど考えられなかったのだ。

 由布さんはその部屋にあった大きなスツールに腰掛けると、
「じゃあ、セッションを始めるよ。まず、服を脱いで」
と言った。
 私がためらっていると、由布さんはほほえみながら、
「ほら。一回目は大目に見るけれど、次からは罰を与えなきゃいけなくなるよ」
と言った。仕方なく由布さんに命じられたとおりに服を脱ぐと、今度は
「下着も全部とって」
と言われる。恥ずかしかったけれど、由布さんとの約束を守るために、勇気を振り絞ってパンティとブラジャーをとった。
「じゃあ、次は僕のを大きくして」
 え? 何、どういうこと?私はドギマギして立ち尽くしてしまった。
「言ってる意味はわかるよね、響子。そこに跪いて」
 由布さんはそう言うと、両足をひろげた。


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