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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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謎の支配者、サーガ-2

 佐藤はそんな若菜にも動揺は見せなかった。じっと若菜の目を見据えている。いくら幸せそうな優しい顔をしていると言ってもそこは県警本部長まで登り詰めた男だ。見かけ通りの甘い人間ではない事は若菜も充分に理解している。
 「確かに顔まで変えると言う危険性は否定出来ない。現に1人そう言う刑事を生んでしまったんだしね。しかし、だ。君がしっかりと部下を管理していれば防げた問題ではないのか?現に同じ職務についた吉川君は警察官としての自分を見失わなかったじゃないか?」
 「ですからその責任は私にあるのは間違いありません。しかし、このNFPは危険です!世の中には欲望に耐えられる人間とそうでない人間がいます。誰でも欲望には目が眩むものです。しかし警察において目の前の欲望に勝てる人間は最低条件なんです。その最低条件を満たすのにさえ人間は苦しむんです。私だって欲望に負けそうな時もある。負ける人間が普通だと私は思います。その甘い欲望の中に飛び込ませて負けないぐらいの強い精神を持っている刑事はほんの一握りしかいない。欲望に負ける刑事なんて刑事じゃないとは私は言えません。刑事だって欲望を抑えながら日々職務についているんです!だからNFPで欲望蠢くフレアの中に送り込んだのは私の責任です。責任者として二度と同じ過ちは犯してはならない。私はメンバーを守りたいんです。私は上原若菜として悪に立ち向かいたいし、メンバーにもそうあって欲しい。刑事としての自分を信じて正面から立ち向かいたいんです!」
一気に捲し立てた若菜。佐藤はじっと若菜を見つめて若菜の言葉を聞いていた。
 「この件は私から総監のほうに伝えておこう。私の一存では決められないからな。NFPの続行か中止は総監に委ねる。いいな?」
 「はい。」
若菜は机についていた手を離した。
 「上原君、田口徹の件の時は君はいち刑事であった。しかし今は特命捜査対策の長だ。自分の事ばかり考えていてはいけない。自分の危険よりも部下の危険を優先するような刑事にならなきゃいけない。分かるな?」
 「はい。」
 「よし、分かった。この件は私の責任として総監に報告しよう。私の見解としてNFPの中止を提言しておく。」
 「えっ?本部長には何の責任も…」
 「部下の責任は私の責任だよ。当然だ。」
 「本部長…」
そして佐藤は小声で言った。
 「いいか?謝る事ぐらいいくらでもしてやる。うまくやれ。小さくまとまるな。」
そう言って肩をポンポンと叩いた。
 「ありがとうございます。」
味方だ…、すぐにそう感じた。恐らく近藤に依頼され多額の金を捜査に使用した事も佐藤は責められる事は分かっているだろう。しかしいくらでも謝ってくれると言う。当然田口を追っていた時の方が孤独ではあったが部下も上司も気にせず動けて楽ではあった。しかし今は部下にも上司にも気を配らなくてはいけない。責任というものが常に若菜にのしかかっている。昔のように自由に動けはしないが、しかしその分孤独と言うものを味あわずに済む事は若菜にとっては幸せな事にかんじたのであった。


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