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「あなたに毒林檎」
【SM 官能小説】

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「あなたに毒林檎」-7

彼はかなり興奮していた。
私の力では抵抗する事が出来なかった……。
髪の毛をきつく掴まれもうこれ以上限界と思ったとき、彼はまた激しく小さな声を漏らすと私の口の中でもう一度果ててしまった。

 そして、私の口からおちんちんを抜くとそのまま飲みなさいと囁いた。
私が口をつぐんだまま目を丸くしていると、目を覗き込みもう一度囁いてきた。

「俺の言うことを聞きなさい、鞠」

 私はとまどったがそのまま口に溢れる唾と一緒に彼の放った精子を飲み込んでいた。
彼のおちんちんから出された白いであろう液体は喉を通り私の中に消えていった。
味は良く判らなかった。
そして、私と彼はシャワーを浴びSEXあとの余韻を楽しんだ。

 私は彼に素直な質問をぶつけてみた

「あーいうふうにするのが好きだったの?」

「え? なんのこと?」

「……」

「意地悪……」
 私の顔はシャワーの熱気と自分の火照りで顔がますます赤くなって行くのが判った。
彼は私の顔をまじまじと見つめている……私が口を開くのを待っているのだ。

「フェラチオ……」

「……ごめんね。きつかった?」

「ずっとずっと私にあーいうふうにしたかったの? 命令口調とか……」

「うん……」と、彼が言う。

「時期が来るの待ってたの?」

「うん……」

「まだ色々したいことがあるの?」

 彼はそれっきり答えてくれず。私の身体にボディーシャンプーを染み込ませたスポンジで丁寧に洗い出していった……。

 社会人の彼は次の日朝早く出て行った。
取り残されたような私は昨晩のSEXを思い出しながらベッドでまどろんだ
けだるい身体の疲れと下腹部にぽっかりとその形のまま空間ができてるような感覚だった。
自分の顔をちらりとベッド脇の鏡で見るとなんだか少し大人になったような気がしたが、昨日の行為をこの鏡は見ていたのかと思うと恥ずかしくなり布団をかぶり眠りこけてしまった。

 目が覚めたのはお昼過ぎで苦痛ではない身体のだるさを感じながら少しガニマタ気味でトイレに入った。
そして、こともあろうに2個目の林檎を産み落とした。


 今度は捨てずに取っておく事にした。
眺めていたいと言う好奇心も少しは沸いてきているからだったが、どこに捨てても大変なことになりそうだったからだ。
川に投げ入れた林檎の事を思うと少し胸が痛んだ……。

 私はリビングの中央にある脚の低いテーブルにランチョンマットを敷いて林檎を置き強烈な眼を飛ばした。
どこをどう見ても林檎だ……私が産んだと言うことを忘れてしまえれば朝食にもってこいの林檎……夜食でもいい……。
しかし、食べたらどうなる、心の片隅にあるジレンマがまた湧いてきていて、玲子の言っていた言葉も思い出された。
”誰かに食べさせる”でも一体誰に?

 日本人はこれまでなんでも食して来た? だけどそれには何事においても先人ありきでその人の功労が次の世代に受け継がれ、積み重ねられた知識が現在の美食となっているはずだ……。しかし、私がこの林檎を食べ死んでしまったら意味をなさないだろう。次に一体だれがこんな林檎を産み落とすと言うのだ? 次から次へと湧き上がる思いは困惑に変わっていった。

?彼に食べさす? 
死んでしまったら殺人者だ……。毒物が検出されなくても私は良心の呵責にさいなまれ一生を暮らすなんて嫌だ、死なないまでも妙な病気にならないとも限らない、私はそんな彼を面倒見続けれるのだろうか?

?玲子に食べさす?
これも基本的にNGだ……それとも、可愛い親友に本当のことを話してしまおうか? 彼女なら一緒に悩んでくれるかもしれない、だけど、やはり怖い……。

?私が食べる?
やはりここは生みの親の私が食べないことには親としての責任を果たせないか?
しかし、親は子供を食べないぞ? トホホ……。

?動物に食べさせてみよう♪
これはかなりまともなアイデアだった。車で少し遠出した所に大きな森林公園がある。
あそこの公園にはかなりの数の鳩がいるはずだ。しかーし……これまた、目の前で起り得る惨事になったら私は今日の夕刊に載ってしまうだろう……。

【妄想の果て鳩を殺す美人女子大生】
新聞記事の内容まで想像でき、テレビのワイドショーレポーターがベンチのそばで死んだ鳩たちの場所を示しながら神妙な顔と低い口調で視聴者に訴えかけている「これは現代社会が産んだもう一つの悲しい事件です」とかなんとか……。私は23年生きてきて自分がこんな妄想壁のある人間だとは思いもつかなかった。
うまく行けばこのりんごネタで有名小説家に成れるかもしれない。あーお馬鹿な私・・・馬鹿、馬鹿、馬鹿、こんなときに……。


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