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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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黒い嫉妬心。-7

 みな実の元を訪れた事が篠田にバレているとも知らない吉川はみな実の部屋の前に立ちインターホンを鳴らす。
 「はい…」
暗く落ち込んだ声が帰って来た。インターホンにはモニターがついていたが内側のカメラにはガムテープか何かで塞いであるのだろう。モニターは真っ暗だった。しかし在宅を確認した吉川はみな実になるべく怪しまれぬよう慎重に言葉を返した。
 「ヨガ教室の中野です。すみません突然。ちょっとお話があります。どうか入れて下さい。」
インターホンからの返事はなかった。怪しんでいる様子だ。吉川は続けて話しかける。
 「大切な話なんです。お願いです、どうか…」
すると静寂を切り裂くかのような喚き声にも似た声がいきなり中野の耳を貫く。
 「どうせあなたも媚薬で私を抱こうとしてるだけでしょ!!帰って!!」
いきなりの反撃に動揺する中野。
 「ち、違います!俺は今、媚薬なんて持ってません!」
 「嘘!部屋に入るなり媚薬を目の前に見せつけて押し倒すんでしょ!!嫌よ!もう嫌!!」
かなり興奮しているようだ。中野扮する吉川の悪い予感は当たった。情緒不安定は薬物中毒の典型的な例である。吉川が推測するに、みな実は深刻な薬物中毒の疑いがある。
 吉川は中田みな実が体中に傷や痣を作っているとの情報を掴んでいた。USのエリサから仕入れた情報である。その打撲の原因はどうやら篠田扮する近藤にあるようだとの連絡を受けた。紳士的な近藤が女性に打撲を与えるなんて有り得ない事だ。そのような兆候もまた薬物中毒の特徴だ。近藤の心のどこかに潜んでいた女への加虐心は理性で抑えられていたが、覚醒剤によって理性が取り払われたのだろう。そうなるとそれは願望として強く頭を支配する。ある意味長年の夢だ。長年の夢を叶えた薬物中毒者はその喜びをもはや繰り返す事になる。このままでは中田みな実は勿論近藤も危険な状況になると考えた吉川は若菜に相談した。中田みな実はフレアの仲間ではなく脅されている被害者だと判断し一気に内情を把握して早くフレアを追い込む事を提言した。
 「私が思っていた以上にフレアは危険な集団かも知れない。分かったわ。中田みな実に当たる事を許可する。くれぐれも近藤君には悟らないようにね?」
 「分かりました。」
若菜は吉川の判断を指示した。薬物関係は若菜よりも圧倒的に吉川の方が詳しいからだ。事件解決は勿論だが、全日本捜査をしている吉川と近藤の身が心配であったし、何か嫌な予感がした。2人が潜入捜査をしている間は下手に動けない状況がもどかしくて仕方がなかった。


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