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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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黒い嫉妬心。-8

 自分が警察である事を示すか示さないかは賭けであった。中田みな実がフレアの被害者だと断定したのは自分の勘であって何の確証もない。万が一読みが外れればその瞬間潜入捜査は打ち切りだ。証拠隠滅を計られてフレアを追い込む事は出来なくなる。同時に自分達の身も危ない。そして発足したばかりの特殊メイクで別人になりきり潜入捜査を行うNFPは丸裸にされ、それが違法な捜査に当たる当たらないと世間から非難される事態になるのは必死だ。そう簡単には明かせなかった。
 「頼む!開けてくれ!俺は君を苦しめたりしない!」
 「媚薬を使って気持ち良くしてやるって事でしょ!もう嫌なの!放っておいて!」
ダメだ。全く聞く耳を持ってくれない。あまり騒ぐと近隣住人に怪しまれる。吉川は困り果てる。
 「とにかく俺は君の味方なんだ!」
 「ヨガ教室の人らなんて誰も信用できないよ!みんな私を媚薬…、いえ覚醒剤漬けにして散々弄ぶに決まってるんたからね!」
中田みな実の口から初めて覚醒剤と言う言葉が出た。中田みな実は自らを覚醒剤中毒と認識している事が伺い知れる。救いたい、覚醒剤に人生を狂わせられてしまった一人の人間を救いたい…。その強い気持ちが吉川の正義を揺り動かした。
 「俺は…警察だ!」
 「えっ…?」
意外な言葉に驚いた様子のみな実。
 「これを見てくれ。」
吉川は警察手帳をカメラに向ける。しかし戸惑うみな実。それはそうだ、今の吉川は特殊メイクをして中野の顔をしているからだ。
 「で、でも顔が…」
みな実の口調の変化に気付く吉川。それはみな実が一縷の望みを自分に感じたからに他ならない。吉川はチャンスとばかりに攻め込む。
 「モニターを良く見ててくれ。俺は中野宏と言う男になりきりフレアヨガ教室に潜入捜査をしていた刑事、吉川啓吾と言う者だ。」
吉川はカメラの前で特殊メイクを剥がした。
 「な…」
言葉を失うみな実。まだ半信半疑なのは仕方ない。しかし吉川は最後の手を打った。もう他にはどうしようもない。
 「頼む、開けてくれ。救いたいんだ、君を…」
これでダメならもはや打つ手なしだ。頼む、頼むと心の中で繰り返していたその時、鍵が開く音がした。そしてゆっくりと扉が開き、隙間からか細い声が聞こえた。
 「ど、どうぞ…」
吉川はとっさにありがとう、と言って体を半身にして隙間から部屋の中へと入った。
 


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