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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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「で?あの日はあのまま啓をお持ち帰りした、と」

月曜日、食堂で紗江子ちゃんはニヤニヤしながら私の話を聞いてくれた。

「お持ち帰りって・・・」
「明日香が、啓を食べちゃった、と」
「ちょっとー。語弊があるわね」

「いや。見てないけどきっとそんな感じだわ」

イヤな紗江子ちゃん。

「まぁ明日香と啓が幸せなら私はいいんだけど」

そう言って日替わり定食のアジのフライを綺麗に食べた。

素知らぬふりして定食を食べてるけど。
紗江子ちゃんは私たちのことをとっても喜んでくれているのが分かる。

大好き。

「紗江子ちゃん、私啓より紗江子ちゃんの方が好き」

思わずそう言ったら、そんな私を見つめて

「私も。ツカサより明日香の方が好き」

私たちはそう言い合って大笑いした。

「あの兄弟は私たちの友情には入ってこれないわね」

そう言ってまた笑う。
こうやって心から笑えるのも、紗江子ちゃんと啓のお陰だよ。

ありがとう。



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