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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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エッチが終わった後に、普段の啓に戻った彼は
腕枕をして私を抱きしめる。

そして、おでこや頬にキスをくりかえす。

「明日香、可愛い」

そんな上機嫌な啓を見て、私も上機嫌になる。

「すご〜く、気持ち良かった」

「それは良かった」
「いつもの啓じゃないみたいだった」
「・・・・それって良いの?悪いの?」
「ワイルドで良かったよ」
「・・・そう」

「今度のエッチは私が攻めたい!」
「・・・は?」

「次は私が主導権を握りたい」
「・・・・」

「あの、明日香さん?」
「何?」
「俺のセックス良くなかった?」

「良かったし、楽しかったよ」
「・・・・そう?」

「だから次は私が主導権ねっ」
「・・・・ま、いいか」

そう言って優しく笑いながら啓は私を抱きしめた。

逃がさないとでもいうように力いっぱいぎゅっと抱きしめたかと思うと
それはそれは優しく、大事な物のようにそっと抱きしめる。

私は啓によって、世界一の女の子になったように錯覚させられる。

「明日香、愛してるよ。おやすみ」

羽のようなキスをされて。
私は真綿のように抱きしめられて
啓の腕の中で、顔を啓の胸にすり寄せて
その日は寝た。






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