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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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-3


「はぁ・・・・ぁんっ」

啓の手を濡らす私の愛液は、私が啓を好きになった分
啓にまとわりつく。

いつの間にかゴムの袋を歯で噛んで開けている啓は
私よりも、落ち着いているのかもしれない。

ゴムを着けている啓にそんなことを思ったけど
次の瞬間に、もう余計なことを考えられないほど
私の中は啓で満たされた。

「ふぅ・・・・ぁ」

それは私の知っている啓じゃなくて。

私を自分のモノだと主張するような雰囲気に圧倒される。

「明日・・・香・・・」

整わない息の合間に、それでも呼んでくれる私の名前を
これほど愛しいと思ったことはない。

荒々しく力強い律動に、私の知らない啓がそこにいて。
きっとそれはどんなに親しくなっても
友達でいる限り知るはずもなかった男の本性で。

私は必死に啓にしがみついた。

「けいぃぃぃ」

絞り出すようなその声は
無言の懇願になって、彼の脳裏に浸透する。

「あすか・・・」

苦しそうに首筋にキスを繰り返す啓に
「ちょうだいっ」
そうねだって。
その言葉に啓が見た事もないような満足そうな顔で笑った。

「愛してるよ」

啓と私はその言葉とともに、お互いにお互いをゆだねた。




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