香水-2
湯船に浸かりながら考える。
過去に嘘をついた時の事。
夫についた嘘。
元彼についた嘘。
仕事をしている時、上司についた嘘。
小さい頃、親や学校の先生についた嘘。
小さい、大きいに関わらず
嘘がバレた事は記憶の限り、ない。
湯船に浸かりながら独り言を言う。
「タクミ君には
なんで分かるんだろー、、、。」
超能力？ な訳ないし
うーーーーーん
体のどっかから、嘘が
出てる とか ？ 私
身体を洗い、お風呂からあがる。
パジャマを着て、脱衣所にある鏡で
自分の顔をじっと見つめる。
「、、んーーーーー、、」
頬っぺた
目
唇
眉毛
やっぱり
どっかから出てるのかな
「んーーー、 、、
あ 。」
あと、あれかな？
気持ちが 弱かったから？
嘘ついた時
DVD にコーヒーこぼしたって
言ったときも 動揺してたし
だから つまり
、 、 、うん
思い込む力を 強くすれば
タクミ君に 先生思い出して
オナニーしたの？
って
質問されたら、 、
私は
してない
してないって強く思い込みながら
答えれば きっとバレない
はず ！
「、 、、はぁ。
ってゆーか、、まず、
その質問を、されませんよーに。」
ちづるは鏡を見つめながら
痛そうな顔をして、独り言を言う。
その後、夕飯作りにとりかかる。
今日の夜9時すぎに、
タクミはバイトを終えてから家に来る。
夕飯も出来上がり9時になった。
インターホンが鳴る。
中から鍵をあける。
ちづるの顔を見るなりタクミは
「お腹すいたー。」
と呟いた。
2人はお喋りをしながら夕飯を食べる。
タクミの友達の健が、
前に合コンをしたショートカットの
女の子、直美と、
今度デートをする事になったらしい。
2人はその話題で盛り上がる。
夕飯が終わり、タクミはお風呂に入る。
お風呂から上がると、タクミは
タオルで頭を拭きながらソファーに
座りテレビを観る。
ちづるはしばらく、
台所の片付けをしていた。
台所の片付けが終るとすぐに、
タクミが声をかける。
「ねー、ここ。座ってー。」
タクミは自分の前に座るように
ちづるを促す。
ちづるは言われるまま、タクミの前に座った。
タクミが、後ろから抱きつく。
ちづるのパジャマに自分の頬っぺを
擦り付ける。
「このモコモコ、気持ちぃー。」
「ふふ、、これ、温かいんだー。」
「なんかちづちゃんっぽい。
やっぱりピンクって感じだよね。」
「えー？ そうかなぁ。」
「、、ねぇ、
生理終わったんでしょ？」
「ん？ 、、うん。」
「じゃあ、今日出来るねー。」
「うん、、、。」
タクミはちづるに抱きついたまま、
キスをする。
キスを終えて、じっとちづるを
見つめて言う。
「生理終わってすぐ、
しちゃったんじゃなーい？」
「、、え？ 」
きた ！
「1人でー 」
「、、、 、 、
してない。」
してない
私は してない
「 、？
先生に抱きつかれた事、
思い出してー 」
「してないよ。」
してない
し て な い
「、、 、、 、、、。」
なんか ちづちゃんの
下手な嘘が
パワーアップしてる ！！
え？
なんだ？
もともと下手なのに
なんでこんなに
下手になっちゃったの？
「、、 っ、、」
やばいっ！
笑いたい！！
や、いやいや、、
本人 真剣だし
笑うな！ 堪えろ、 俺！
ちづるは、
してない、と言った後、
目、頬っぺた、唇が
不自然にピタリと止まっていた。
顔だけロボットになったように
タクミには見えた。
タクミは堪えながら言う。
「、っ、、
そっかー。」
なんか、 っ、
なんだろ
本人は 必死なんだろーけど
いつも ちょいちょい、、
笑わせて くれるよな
真面目なぶんだけ
面白いんですけどっ！！
ぁーーーー
や ばい ！
2人はソファーでSEX をする体勢になる。
部屋を暗くする。
ちづるは下着姿になり、
タクミが愛撫をする。
タクミがキスをしながら、愛撫を
すると、ちづるは吐息を漏らす。