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中学一年生
【少年/少女 恋愛小説】

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不純な腹筋-1

練習のあとで着替える高田先輩の体には、やはり惚れ惚れするものがあると、慈縁は改めて思った。青のブリーフ一枚になった先輩の尻は、野球部員らしく筋肉で盛り上がっていた。背中も広い。先輩の近くにこうしているだけで慈縁には安心が感じられるのだった。
突然、先輩が向き直って、慈縁の股間を握り締めた。
「また見てるだろ。あ、お前、立ってるじゃねえか。」
冗談ぽくそこをさする先輩の手は大きく温かく、また、くっきり割れた青年男子の腹筋が目に美しくて、恍惚となったその時、激しい快感が慈縁の下腹を走り抜けた。
その日から、慈縁は自分ですることを覚えた。先輩の割れた腹筋が忘れられず、する時は必ず思い浮かべたし、反対に、着替える先輩を見ると興奮に襲われた。高田先輩だけでなく、上級生の硬そうな尻のあいだに自分を入れることが想像されてならず、練習のあと、しばしば慈縁はトイレに走った。

しかし、こんな自分のありかたが、どこか真実に背いていると感じた慈縁は、父にさり気なく、仄めかすような言い方で尋ねてみた。父が答えて言った。
「まあ、女がいても男同士でも、人間は大して変わらないということだろ。それで、お前はその女の子のことをどう思った。」
「かわいそうだと少し思いました。」
「先輩のほうは?」
「もっと野球に集中できたらいいなと。」
「それが悲願のはじめだな。」
「頑張ります。」
「頑張りな。でも、大したことはできないかもしれないな。一人で海に漕ぎ出すようなものだ。」
「頑張ります。」
「道を知ってる人が必要だ。その道を歩きつくした人が、まあ、み仏なんだな。それで、勝手に舟を進めないで、任せろと言う。」
人任せでは野球に勝てませんよと慈縁は言いたくなったが、若い時、甲子園に出場している父に、とても言えたものではなかった。


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