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今から恋を始めよう
【女性向け 官能小説】

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ベッド以外何も置いていない部屋で
冷たい空気の中、吉野さんのトワレがほのかに匂っていた。

「麻子、退職願って・・・」
「ほんとよ」

そう言った私に一瞬呆れて。
あっはっは。と声を出して笑いながら私を抱きしめる。

「俺が本気でセフレだと思ってたら、どうする気だった?」
「さぁ?UKに追いかけて行って、1から恋を始めましょうって言う。
惚れた男だもの。とことん追いかけるわ」

「うん。それでも良かったな」

そう言いながら、嬉しそうに私を自分の体の上に乗せた。

「ねぇ・・・なんで、私が終わりにしようって言った時にあっさり帰ったの?
本気で、終わりにしようと思ったの?」
1週間、ずっと気になっていたことを恐る恐る聞いた。

「まさか。もう麻子とは離れられないと思った。
どうにか話し合って、すぐには無理だったとしてもいずれUKに一緒に
転勤してくれるように頼もうかと思った」

「ならなんでっ!」
「麻子、あの時は俺が何を言っても突っぱねただろ?
女性は感情が高ぶっている時に何を言ってダメだからなぁ。
逆に何かを言うとこじれちまう」
なんて分析する。
「・・・・」

「半月経てば、気持ちも落ち着くかな?と思って」
と涼しい顔で言った。

「まさか退職願を出すとは思わなかったけどな」
と笑いながら言った。




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