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今から恋を始めよう
【女性向け 官能小説】

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-6


1週間後。
今度は「吉野さんに」教えてもらった帰国時間に
入国ロビーで彼を待った。

どんな顔をして会えばいいか分からずにドキドキしていた私とは
裏腹に、吉野さんは私を見た途端、笑いだした。

何?

「ああ、今日はきちんと靴を履いてるんだ。
その靴、似合ってるよ」

と、笑いながら言った。
前にも似合っていると言われたヒール。
だからこの前も履いてきたのに。

「その靴を見るたびに、羽田で裸足の麻子を思い出すな」
なんてクスクス笑ってる。

呑気な吉野さんに少しムッとして。
「今日は、吉野さんの家に行きたい!」
じっと目を見つめてそう言えば、苦笑いしながら
「いいよ」
と、あの笑い方をして私の手を取って歩きだす。

あぁ、トワレの匂いがほのかにする。
吉野さんだ。と嬉しくなった。

吉野さんの家に着いて「どうぞ」と中に通されれば
綺麗な部屋、というよりまったく生活感がなかった。

「好きなところ見ていい?」
「どうぞ」

そう言われて、洗面台と浴室を見る。
「何?」と
不思議そうな吉野さんに
「オンナの影を探してるの」
と言ったらまた笑いだした。
「そんなもん、ないよ」

「隠したかったのはこれ」

と1つの部屋のドアを開けて見せてくれた。

「なに・・・これ!」



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