ら-5
「待って。麻子待て。ゴムは・・持ってる?」
え?ゴム?
一瞬、理解できなかった。
あ・・あぁ。
「ないわよ。しばらく恋愛してないって言ったじゃない」
「あー―――・・・・」
声にならないような声を出して
吉野さんがガックリと私の上に落ちてきた。
「え?え?何?」
急に変わった雰囲気にびっくりして、上に乗っかってうなだれている吉野さんに
問いかける。
「何?」
「ゴムがない・・・」
「あぁ。なるほど」
「・・・・まさか今日女を抱くと思わなかった」
「へぇ。お財布に入れてない男っているんだ」
意地悪でそんなことを言えば
ぎゅっと頬をつねられる。
「痛っっ」
「どんな男と寝てるんだよ」
「やめる?」
またまた意地悪でそんな風に言えば
「仕方ないな」
大きくため息をついて再び私の上に覆いかぶさった。
え・・・
本当にやめるの?