ら-2
「優しく?」
「ん・・激し・・・ぃ」
私のその言葉を聞いて満足したように笑った後
吉野さんは小さく息を吐き出した。
次の瞬間、私の頬を両手で包み込んで
少ししゃがんでおでこにキスをした。
そのキスは優しくて、優しくて。
キスが終わると私を抱きしめて
「ごめん。余裕なかったな」
と、苦笑いの声が上から降ってきた。
私たちはそっとキスをし直して。
二人で笑いながら靴を脱いだ。
「何か飲む?」
そう聞いた私に、軽く首を振って
「何もいらない―――麻子がほしい」
もし、飲み会の席で聞いてたら
プッと吹き出してしまいそうなセリフを
真面目な顔で言われて。
両手を広げて私を待っているその胸に
私は吸い寄せられるように、何も考えずに飛び込んだ。
「ゆう・・・」
「いいね。その呼び方」
そう言いながら私をベッドに押し倒すと
上から私を覗き込んで、視線をはずさずに軽く首を振ってネクタイを緩める。
その仕草がやけに色っぽくて。
顎を軽く上げながら、ネクタイを抜き去った。