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今から恋を始めよう
【女性向け 官能小説】

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「ケチじゃないなら呼んでよ。
あ、もしかして俺の名前知らない?」

さて。ごちそうさま。
麻子ちゃん、ちゃんと食べた?
なんて私のほうのテーブルを覗き込んだ。

「祐樹。ゆうき・・・ですよね」
「あ。知ってたんだ」

そういって店員さんにその場で清算を済ませる。

「じゃぁ、行こうか」
「どこに?」

お店を出て、二人で関内の街を駅のほうに歩き出した。

「どこって。麻子ちゃん家」

少し怒り気味に歩く私の手を吉野さんはさりげなく握った。
それはものすごくシンプルでさり気なかった。

「何で私の家なのよ」
「ホテルじゃ味気ないなと思って」

乙女か!!

「じゃぁ、吉野さんの家にしましょう」
「俺の家はだめ」
「なんで?」
「なんでも。選べよ。麻子ちゃんの家かホテルか」
「・・・・」

なにその選択。

「ホテルでもいいけど、これから先待ち合わせはホテルになるねぇ」
「・・・・」
「それでもいいけど。さ。どっちか選んで」

「じゃぁ、私の部屋で」
「おっけー」

「じゃぁ行こうか」

そう言って吉野さんは私の手を指と指を絡めて恋人つなぎに握り直した。



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