か-5
「はぁ?」
綺麗に清算出来るオンナがお望みなんじゃないの?
そんな気持ちの入ったセックスなんか
出世の妨げになるから、私を選んだんじゃないの?
「気持ちの入ってないセックスなんて気持ちよくない」
その言い分は分かるけど・・・
そこまで求めるとは思いもしなかった。
「麻子ちゃんはどう思う?」
あの笑い方だ・・・
顎を少し上げて。私に笑いかける。
「恋人ごっこをしろ、と?」
私も負けずに笑いかける。
そんな私を見て、吉野さんは思わず小さく笑って。
「二人の時は名前で呼んでくれない?」
はぁぁ?
「なんで?」
思わず私も敬語を忘れた。
「恋人だから?」
「恋人じゃない!」
「良いだろ。麻子ちゃんケチだな」
ケチぃぃぃ?
意味が分からないんですけどっ!
「3か月ぐらい恋人のようにふるまってくれたっていいじゃないかよ」
「お断りします」
「ケチケチすんなよ」
「ケチじゃない!」