か-4
「で?どうする?」
もう答えは分かってるんだとばかりに
問いかける。
「吉野さんが転勤するまで、でいいんですよね」
「そう」
「そうしたらその画像は消していただけるんですよね?」
「約束だからね」
「そのあとは、たとえ社内で会っても、この話は持ち出さないでください」
「もちろん」
「分かりました」
そう決断したのは紛れもなく自分自身なのに。
それでもそんな決断をしたことにびっくりした。
そして、これでよかったのかと、後悔の気持ちが
胸に広がって、やっぱり、といい直そうと
顔を上げたところで目に入った吉野さんの顔は
よこしまな提案をした後だとは思えないような
爽やかな笑顔でびっくりした。
「うん・・・」
小さく「良かったよ」とつぶやいて
私の目をじっと見つめる。
「セフレと言っても、身体だけじゃいやだな」