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おしの洞
【ホラー 官能小説】

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嗤う女-6

寝間着を剥ぎ取り、足を開かせ乳房に吸い付き、口を吸った。
うーうー、と喜びの声を上げながら娘の体は硬くなっていく。
「早く済ませろ!あんまり遅いとかかぁが怪しむ」
「そんなこと言ったって、俺は久し振りなんだ」
腰を振りながら若い男はなかなか娘から離れない。
「久し振りなのはおめぇだけじゃねぇ。いつまでかかってんだ」
「うるせぇ、そんならおめぇは帰って不細工な嫁でも抱いてろ!」
「なんだと!」
男を娘から引き離すと殴りつけた。
「元々これは俺が手をつけた女だ。ここまでの体にしたのも俺だ」
「ふざけんな!これだって、若い男がいいに決まってらぁ」
「てめぇこそ家で母ちゃんの乳でも吸ってろ、がきが!!」
三人が殴り合いを始めると、娘はすっと立ち上がり全裸のまま出て行った。戻って来た時には包丁をその手に持っていた。どすっと畳に突き刺す。
“勝ったやつの女になってやろうか?”
三人はどきりとして娘を見た。
「今、しゃべったか?」
娘はろうそくの明かりの中で微笑んでいた。ゆっくりと足を開くと自分の指で蕾をこね回し、うーうーと声を上げる。
“早く。誰があたしをものにするの?“
「お、俺だ!俺がおまえをものにするんだ」
一人が畳に突き刺さった包丁を手に取り、仲間に切りかかって行った。

畳の上で、男たちが血まみれになって冷たくなっていた。
裸の娘は返り血を浴びながら、ガタガタと震えている。
村人は呆然とその光景を見た。朝になっても亭主や息子が戻らないと村を探し、まさかと寺に来て見たらこの惨状だった。
「和尚がいねぇ」
娘を巡って揉めた末の惨劇だろうと言う結論になった。
「こりゃ、お役人さんに知らせなきゃならねぇな」
白い息を吐きながら、若い男が言った。
「すまねぇが行ってくれるか。俺たちは和尚を探す」
「吹雪いてるから気をつけてな」
そう言って送り出した男は、日没になっても戻らなかった。
女たちはこの娘が三人を殺したんだと訴えたが、娘の手のひらには血がついていないことや、小柄の娘が三人もの男を一人で殺せるはずがないと言われ黙った。
もしかしたら和尚が加担したのではないか、と言う者もいたが肝心の和尚は行方知れずだ。
いずれにしろこの娘は災いの元だ。理由がなんであれ三人の男が死に、二人の男が消えた。女たちの娘に対する憎しみは増すばかりだろう。
「山の洞穴に閉じ込めよう」
地主は以前から考えていたことを口に出した。殺すことは恐ろしくてできないが、目に見えないところで朽ち果ててくれるなら罪悪感もさほどない。
娘は薄い着物一枚羽織っただけの姿で洞穴に閉じ込められ、出口を塞ぐために大きな岩がはめ込まれた。そこは「おしの洞」と呼ばれ、村人は誰も近づかない場所になったのだ。


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