投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

特命捜査対策室長 上原若菜の最初へ 特命捜査対策室長 上原若菜 42 特命捜査対策室長 上原若菜 44 特命捜査対策室長 上原若菜の最後へ

錆びぬ“カン”-6

 若菜が帰った後、側近の吉田勝義が権田に言った。
 「組長も上原さんには弱いですね。」
非喫煙者の若菜に気を遣い吸わなかった煙草に火を付けた権藤。
 「あんな真っ直ぐな人間、そうはいないからな。そして強い。だいたいお前らが誰一人として若ちゃんには敵わなかったもんな?」
 「あれはみんなセクハラを気にして本気出せなかっただけですよ。」
 「ハハハ!ヤクザのお前らがセクハラだと?笑わせてくれるな、吉田!」
 「そうでも言わなきゃ立ち直れませんよ。あれはバケモノですよ。じゃなきゃあんなに強い訳がない。」
権藤は真顔になる。
 「バケモノか…。あんな女はそうはいないからな。でもな、俺は誰よりも人間らしいと思うよ。大切な人の復讐の為…、いや仇をとる為に自分を犠牲にして地獄から這い上がったあの精神力。彼女は自分の能力のスペック以上のものを努力で身につけたんだ。凡人には絶対に真似できない事だ。警察官でありながら仇をとる為に殺人まで起こしたし、彼女は敵を殺す以外の選択肢を持たなかったはずだ。その決意の強さは俺でも敵わないだろう。でもな、綺麗事言って殺害を避ける人間なんかよりもよほど人間らしいと思うんだ。それだけ彼女は皆川静香という先輩刑事を大切に思っていたんだろう。初めは警察官が殺人を犯すなんてふざけた警察官だと思ったが、その経緯を知ると見る目が真逆に変わったよ。俺は究極の仁義を感じたが、ね。」
 「そしてあの人懐っこい性格…。」
 「そう。しかし目の奥には決して折れない不屈の精神を感じる。彼女は強い。俺の跡を継がせたいぐらいだ。」
 「上原さんはどうしてオヤジを信頼してるんですか??」
 「まぁ麻薬嫌いで意気投合してな。どんな悪事を働いても決して麻薬には手を出さない俺の方針が彼女に認められたんだろうな。俺は彼女が初めて乗り込んで来た時には組を壊滅させられると思ったが、ね。お前ら全員半殺しにさせられるしよぉ?」
 「面目ない…」
 「でもな、あの時本音で話し合えたのが良かったのかも知れないな。普通ならあんな小娘が…となるが、その強さを目の当たりにしてはな。若ちゃんを認めざるを得なかったからな。偏見なしで彼女を見れたのが大きかったよ。まぁウチが麻薬を扱ってるっていう若ちゃんの勘違いが生んだ悲劇だったがな。」
 「それが分かった時の上原さん、可愛らしかったですよね。」
 「ああ。そのギャップにキュンとしてしまったよ、年甲斐もなく、な。無条件に許したくなってしまったよ、不思議と。あれが他の奴だったら警察をぶっ潰しに行ってるとこだったな、正直。」
 「不思議な人ですね、上原さんて。」
 「ああ。不思議だな。変な刑事だよ、彼女は。」
 「フフフ」
 「フフフ」
どちらからともなく含み笑いが起こったのであった。


特命捜査対策室長 上原若菜の最初へ 特命捜査対策室長 上原若菜 42 特命捜査対策室長 上原若菜 44 特命捜査対策室長 上原若菜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前