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真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし)
【歴史物 官能小説】

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拾陸-2

「果たし状を突きつけ堂々と乗り込んで来るとは小癪な娘どもだ」八魔多はニヤニヤしながら言葉を続けた。「まぐわいの最中に襲ってくるつもりだろうが、それもよかろう。返り討ちにしてやる。だが、手下どもを周囲に配するなどということはしていない。俺様の沽券に関わるのでな」

「それでこそ伊賀者の頭領」沙笑が怜悧な顔に薄い笑みを浮かべた。「ところで、きさまと稀代・伊代はこの方丈(本堂)でまぐわうとして、あたしとその悪相はどこで寝ればいいんだい?」

「悪相だと?!」

気色ばむ小太郎を抑えて八魔多が答えた。

「おまえたちは方丈奥の庫裏でまぐわえ。……おい、小太郎、今日は淫薬は無いが大丈夫か?」

「何言いやがる。こんな小娘、淫薬など用いずとも快楽(けらく)の地獄に堕として呆けさせ、俺の端女(はしため)にしてやるぜ」

「ふふ……、あの宇乃とやらはしぶとかったぞ。その娘も食わせ物かも知れぬ。せいぜい気をつけるんだな」

「八魔多の大将こそ大丈夫か? 体格のいい娘二人掛かりだぞ」

「ふん。俺様にとっちゃあ二人など屁でもない。何ならおまえの敵娼(あいかた)も俺様が引き受け、三人掛かりにしようか?」

「何言ってやがる。この前、宇乃っていう娘に毒針を刺された左腕、毒は抜いたものの、まだ万全じゃないんだろう? そんな身体で三人など無理無理」

「まぐわいは腕でするものじゃない。魔羅でするものだ」

「ああ、分かったよ。八魔多の大将の魔羅には誰も敵わないさ」小太郎は付き合いきれないといった調子で片手を振ると沙笑の肩に腕を回した。「さあ、娘、庫裏へ行こうぜ」

小太郎が先に立って歩き、沙笑はそれに続いた。方丈を出る時、稀代姉妹と視線を合わせ、

『しっかりな……』

お互い、目で覚悟を誓いあった。


 庫裏へ入ると中央に褥(しとね)が敷かれてあった。小太郎は腰の忍刀を枕元に置き衣を脱いだが、

「おおっと。ここに置いちゃあ危ねえな」

と、忍刀を壁際まで持ってゆき、そこに立てかけた。すでに全裸の沙笑は褥に横座りになり、手で髪を梳きながら小太郎を待った。

『年の頃は二十歳前後か……』小太郎は下帯を外しながら沙笑を値踏みした。『真田の女忍びにしておくにはもったいねえ別嬪だな。以前、真田丸の戦いの折、刃を交えた覚えがあるが、なかなかの速さだった。こうして身体を見ると肉が締まっているぜ。ふふ……、あそこの締まりもさぞかし良かろうよ』

伊賀者の中では八魔多に次いで忍びの技が冴え、性戯に於いても二番手を自負する小太郎は、わずかに張りを帯び始めた男根を沙笑の顔の前に持っていき、銜(くわ)えるように顎をしゃくった。命じられた沙笑は、冷ややかさと妖艶さをない交ぜにした笑みを浮かべ、白い指でどす黒い男根をつまみ上げた。


 いっぽう、八魔多と相対する稀代・伊代姉妹は、はち切れんばかりの肉体を並べて立っていた。その胸が八魔多の大振りな手でつかまれる。右手が稀代の、左手が伊代の乳房を弄ぶ。

「ははは。おまえら双方とも勝ち気な面構えだが、乳も張りがあって顔に似つかわしいな。だが、この俺様の魔羅の張りには及ぶまい」

言葉どおり八魔多の肉竿は、愛撫も受けていないのに、すでに硬く天を突き、その偉容を誇っていた。

『凄えな、噂以上だぜ』と稀代が目を見張り、『亀頭の下に真珠が輪になって埋め込まれてやがる。化け物じみた魔羅だぞ』と伊代も目を剥いた。

「さあ、せっかく勃ってるんだ。この大魔羅を入れても大丈夫なように、さっさと開(ぼぼ)を濡らしやがれ」

八魔多の手が乳房から離れ、姉妹の股間に伸びた。そして、二人の女陰をさかんにまさぐった。


 庫裏では沙笑が小太郎の一物をしゃぶっていたが、絶妙な舌戯で、魔羅はもう臨戦態勢になっていた。しかし小太郎は焦らない。沙笑を仰臥させると、滑らかな白い女体のあらゆるところを手のひらで味わい、唇でついばみ、舌を這わせた。
 沙笑は敵に身体を預けていても殺気など発せず、艶然と微笑みながら魔羅を手で軽くしごいていた。

『ほう……。この娘、よっぽど男を乗りこなしてきたに違いない』

そうであれば、と小太郎は沙笑の股間に顔を埋め、陰唇と陰核を重点的に舐め回し始めた。すると沙笑は身体をひねり、相手の股ぐらに顔を突っ込み、金玉袋に吸い付いて刺激を与えた。
 互いに陰部を舐めあい、気分が高まってきたところで、いよいよ性の鍔迫り合い、交合へと移っていった。


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