真田拾誘翅（さなだじゅうゆうし）
【歴史物 官能小説】

真田十勇士の陰に更なる十の存在があった。それは女人で、色香をもって敵を誘い、惑乱させるゆえ、人は彼女らを「真田の拾誘翅」と呼んだ。

春伽早喜（はるとぎさき）　愛くるしい笑顔で敵をも春の気分にさせる　　兄は戸澤白雲斎の弟子であった猿飛佐助

絹隠沙笑（きぬがくれさえ）　男を誘惑する手管はぴかいち　　兄は百地三太夫の弟子であった霧隠才蔵

久乃（ひさの）　拾誘翅のまとめ役　　父は川中島の戦いにおいて武田信玄本陣を守ったという穴山梅雪の血をひく穴山小助

宇乃（うの）　出雲のお国の踊子として活躍　　父は情報収集に秀でる海野六郎

飛奈（ひな）　女だてらに火縄銃の使い手　　父も火縄銃の名手である筧十蔵

稀代（きよ）　素行は悪いが肉付き抜群　　破戒僧である三好清海入道・三好伊三入道兄弟の従姉妹

伊代（いよ）　稀代の妹　　姉と同じく素行不良なるも肉感的

由莉（ゆり）　本当は男よりも女のほうが好き　　兄は槍の名手である由利鎌之助

音夢（ねむ）　真田傀儡（くぐつ）一座の人形遣い　　父は水練や舟の扱いに長けた人物の根津甚八

睦（むつ）　音夢と同じく傀儡芸を見せる　　父は爆弾製造に長けている望月六郎