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〈熟肉の汁〉
【鬼畜 官能小説】

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〈人外の戯れ〉-6

「か…帰して…ッ」


入ってきた扉の前には脅迫者達が並び、恭子が出ていけないように壁を作っている。
この集団の目の前で嬲り者にされるのかと狼狽えを見せた瞬間、集まった〈畜人〉の群れは歓声をあげた。


『キャー!由香様ぁ!!』

『由香様、今日もキマッてるよぉ!』

『ああん、素敵ぃ!こっち見てえ!』


何事かと振り返ると、ステージの上には一人の女性が仁王立ちになっていた。

眩しげなスポットライトを全身に浴びながら、囲むように前後左右からカメラを構えている鬼畜達に鞭を向けて、見栄を切っている。


黒光りするショートヘアーを靡かせ、胸を隠さぬ黒革のボンデージルックに身を纏う女性は、まるでグラビアアイドルのような伸びやかな肢体を披露している。

白魚のような指で硬そうにしなる一本鞭を握り、その長い脚に黒いハイヒールを履く事で、その美脚を更に際立たせていた。




……この由香という女が恭子を買わなければ、今日は天パ男が恭子を好きにしていたはずだった。

由香が恭子を“買った”という情報を流した瞬間、そのステージを観たいと顧客達は殺到し、この舞台を作り上げる結果となった。

もちろん、由香という名前もステージ上での偽名であるし、普段は別の名前でSMクラブの女王様として働いている。

被虐の快楽を求める顧客の相手だけでは飽きたらず、更なる加虐の欲望を満たしたくなった由香は、これまでも何人もの被害女性をステージ上で責めて、見世物にしてきた。

そんな冷酷な由香が、虐められ続けてきた恭子をどうやって“料理”してくれるのか…?

畜人達の抱く、その非情な好奇心を擽られたのだ。


脅迫者達にしても天パ男一人の支払う金より、一度に大人数からショーの対価を受け取った方が稼ぎになる。
それに今日のショーで恭子が壊れてしまったとしても、あの天パ男なら喜んで買うはずだという算段もある……。



『コッチにおいで。早くステージに上がるのよ』


細いラインを描く顎を突き出して、高圧的な態度で恭子に手招きをしている。
突然の事にしどろもどろな恭子に、観客は興奮と冷淡を織り混ぜた視線を浴びせた。


『ちょっとぉ、由香様が呼んでるでしょ?』

『ババアがモジモジしても可愛くねえんだよ!早くステージに上がれよ!』

『早くしなさいよッ……全くムカつくわねえッ!!』

『とっとと上がれ!その臭えケツ蹴っ飛ばすぞ!!』


遠慮無しの凄まじい罵詈が浴びせ掛けられ、やがて恭子は涙を潤ませながら歩みを始めた……そしてスポットライトの当たる淫虐で輝かしいステージへと、悲哀に満ちた身体を上げた……。



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