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【純愛 恋愛小説】

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『嘘だろ…??』
『いや、マジっすよ』
『アタシ、市原とメールしてる女子初めて見たよ…。』
『いや、実際まだしてないから』
『市原って彼女または好きな女以外とメールしないってアタシ慎から聞いたぜ!!』
琴原 慎。美里の彼氏で今交際暦七ヶ月目。
『何か相談事があんだって。そう熱くなる事じゃないよ』
『もしかして市原、アンタの事好きだからメールするとか!?』
『いや、だから相談事だって…』
『これこそ三角関係じゃん!!村田と市原は友達、市原は美紗が好きで美紗は村田が好き!!いやぁ、面白くなってきたねぇ!!』
『だから、相談事だって!!人の話聞け!!』
と、まあ色々騒がしい帰宅になったが自宅に入り携帯に目をやると“新着メール一件”の文字が出ていた。
『市原かな』
携帯を開いてメールボックスを見ると、見た事のないアドレスでメールが来ていた。
[市原です。メール見たら返事下さい]
『村田な訳ないか…』
今だに期待してしまう。メールが来る度村田じゃないかと気持ちが高ぶる。そんな気持ちは直ぐに打ち砕かれる事になるのに。
『未練がましいかな…』
そう呟きながら市原にメールを返信する。
[メール見たよ。今なら相談事聞けるよ]
目を瞑り村田の顔を思い出す。クラスが違うため最近は思い出すのに時間がかかる。
♪〜
市原から返事が返ってきた。男のクセに返事が早い。失礼か??すまない。
[相談の内容は、誰にも言わないでほしいんだけど、俺今好きな子が居るんだけど、どうしたら良いか分かんなくて…]
正直驚いた。色恋沙汰の噂が一つもないと言われていた市原が今私にその恋愛話を相談してきたのだから、そりゃ誰でも驚くが。
[市原って好きな子居たんだ!!初めて聞いたよ。]
[誰にも言った事なかったから…]
だとしたら益々不思議だ。誰にも言った事のない話をそんなに仲の良くのない私に相談するのは違和感を感じる。
[メールじゃなんだから明日学校で直接聞くよ]
メールだと何かしらはぐらかされるので直接聞いてみる事にした。
-次の日-
『おっ。市原早いね〜』
『ま、まあな』
頬を少し赤くして、ニコッと笑うと八重歯が見えてとても可愛い。こんな顔を他の女の子が見たら倒れてしまうのではないだろうか。もちろん私は論外だが。村田にこんな笑顔を向けられたらやばいだろうがな。
『で?その好きな子とは?』
『いや…それは言えないんだケド…』
『そう?まあ、無理には聞かないケドさ。で?市原はどうしたい訳?』
『どうしたいって…付き合いたい』
『じゃあ、今その子とはどんな感じ?』
『友達関係…かな。それか知り合い位かも』私も、村田にとってそんな存在なのだろうか?市原に少し自分を重ねてしまう。
『メールはしてるの?』
『一応…』
『学校で話たりする?』
『全然…』
私と同じだ。村田と付き合っていた頃、私達は同じクラスだったにも関わらず全く喋らなかった。
『じゃあ、メールでアピールするしかないよ。毎日メールするのを当たり前にする事が課題1かな』
『分かった!!ありがとう!!』
微笑ましいな。私も、もっと積極的にアピールした方が良いのだろうか?…絶対出来ないな。私、かなり恥ずかしがり屋だからな…。-夜-
♪〜
『誰だろう?市原か?…それとも…』
“村田 翔太”
ドクンッ
『村田…?何?私今日何かした!?』
高鳴る胸の鼓動を押さえながら携帯のボタンを震える指でゆっくりと押す。


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