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裸のつきあい
【ロリ 官能小説】

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混浴温泉施設-1

大学二年生の蓮田験 (はすだ けん) は無類の風呂好きであったから、近所にできた銭湯の混浴なのを聞くと、珍しいと思い、すぐに行ってみようと思った。蓮田はよくいる「くよくよするタイプの男」であった。幼児期からいじめられてきたためか、喜びより苦痛に対して遥かに敏感だった。喜べばその後に苦しみの来ること、そして喜んだあとの苦しみは一層辛く感じられることを繰り返して体験するうち、人生とは苦痛であり、喜びとは油断に過ぎないといった人生観が身についてしまっていた。
大学では舞台芸術を専攻するつもりでいた。おかしなもので、人前で演技するのは得意ですらあった。部活動も演劇部なのだったが、舞台ではともかく、人付き合いの悪い部員としてとおっていた。
風呂はそんな蓮田が殆ど唯一、心を開放できる場であった。風呂でなくとも夏なら好んでプールに一人で出かけていった。水に浮いているときばかりは心も楽になった。運動の苦手な男であったが、そういう訳で、泳ぐことだけはどうにか人並みにしていた。
もちろん、こんな男に交際相手などある筈がない。しかし、蓮田は一人でいることにそう不満な訳でもなく、数少ない友人にもなるべく会わないよう避けていた。人といれば苦痛の種が蒔かれるものと常々蓮田には感じられたのである。
演技をしている時の自分のほうが伸びやかで、人といる素のままの時はぎこちない。蓮田は、溌剌と生きられる「本当の自分」を消極的にだが探し求めてはいた。

蓮田が行ってみると、銭湯というイメージは無く、サウナあり、プールあり、浴場ありの、広い不思議な施設であった。まるで温泉の設備一つ一つを巨大にしたかのようだった。浴客たちはサウナに入ったあと、裸のまま隣のプールにその足で向かうのである。開放的過ぎて、あまり落ち着いた気分になれる所ではないと蓮田は思った。
脱衣場には誰もいなかった。若い女性が入ってきたらどんな気分になるものか、想像すると緊張した。
蓮田が自分のロッカーの使い方を確かめているうちに、ほんの二つばかり隣の場所へ子供が一人来て、どんどん服を脱いでいった。腰にまで届く長い金髪の、小学生らしい女の子だった。その子にふと目をやると、下着姿の美しい肢体と、快活そうな整った顔立ちが蓮田に印象的だった。何かを思い巡らして、周りの物が目に入っていないという表情をしていた。
輝かんばかりに白く健康な女の子の体に、蓮田は服を脱ぐ手が止まるほど見とれてしまった。その子は男の視線になど全く気付かず、機械的と言えるほど手際よく裸になっていった。甘いような臭いような女の子らしい体の香りが、何かを脱ぐたびに漂ってきた。その香りと、膨らみかけの一種いびつな小さい胸に蓮田はいたく心を打たれた。やはり機械的に女の子は何の躊躇もなくパンツを下ろしたが、その際、無意識に背中を向けて前かがみになり、こちらを向いた尻が、割れた桃の実を蓮田に思わせた。
脱いだ下着をロッカーにしまう時、蓮田のほうを見た女の子と目が合って、蓮田は直ちに目を逸らした。そして、鍵の仕組みを確認するふうを装った。
蓮田は努めて自分のロッカーの中だけ見るようにしていたのだが、横から視線が感じられた。先ほどとは反対に、今は蓮田に意識を集中している女の子のほうが、ゆっくり動いているらしい。
ティーシャツ一枚しか既に着ていなかったことを忘れていた蓮田は、下着を脱ごうとして、丸裸の下半身に気がついた。そしてそこが、自分でも異様に見えるまでに硬く勃起していたのだった。
蓮田は思った。ここで女の子に顔を向ければ痴漢と捉えられかねない。どこかで防犯用のビデオも回っている筈だ。
そこで蓮田は、下半身を晒したままロッカーの鍵をかけた。女の子などいないかの如く振る舞いつつ、いつもと同じく、包皮をめくって浴場に向かった。
姿が互いに見えなくなるまで女の子の視線の途切れることはなかった。
勃起はすぐに収まったが、蓮田の心は落ち着かなかった。サウナに行ったら、トドのように太った老婆が入ってきて、蓮田の足元に寝転がった。


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