社員研修-3
さすがに毎晩のように酒盛りはできないので翌日以降は健全に過ごす。
若い女の体が欲しかったがチャンスが無かった。
最終日は全員で打ち上げをやるのでチャンスが巡って来るかもしれない。
最終日・・・
午前中から昼にかけてオリエンテーリングだ。外でバーベキューをして帰ってくる。たっぷり汗をかいて帰ってきた後は１時間の休憩を使って風呂で汗を流し、締めの研修に入る。この研修が終わると１８時からは打ち上げだ。
打ち上げが始まると皆すごい勢いで酒が入る。翌日は昼の出発で次の日は休みだから飲みたい放題だ。新入社員の男たちも目ぼしい子を見つけてモノにしようとギラギラしている。隅っこの方で石崎と酒を飲んでいると関口がやってきた。
すでに頬がうっすらと赤くなって結構飲んでいるようだ。
「店長っ、これから宜しくお願いしますっ！」
ふざけているのか真剣なのかよくわからない感じで挨拶してきた。
「おうっ、頑張れよっ。男の従業員を食い散らかすなよ、関口は遊んでそうだからっ」
「何言ってるんですか・・・店長。ひどーい・・・わたし相当奥手ですよ・・・彼氏いない歴２２年ですから・・・」
「うそつけっ！じゃあ今まで男と付き合ったことが無いって事じゃねーか」
「はい・・・ホントに無いんです・・・」
悲しげな眼をしながら言う。どうやらホントらしい。
「お前みたいな子が男いないなんて、周りの男どもは見る目が無いな・・・俺があと１０歳若ければ猛烈アタックしたのにっ！」
「何言ってるんですか！今でも充分にお若いですよっ！それに私ファザコンなんです・・・年上の人がタイプで・・・」
ちょっとトイレに行きたくなったので席を立つ。立ち際に石崎に目配せをする。
横にいた石崎がすかさずけしかける・・・
「えーっ、今時珍しいね。じゃあ店長なんかも許容範囲なんだ？」
「そんな・・・許容範囲なんて失礼ですよ・・・でも私的には全然ストライクゾーンです・・・相手にして頂けないでしょうけど・・・あの・・・昨日他の子と話してたんですけど石崎さんて・・・店長と付き合ってるんですか？」
「えっ！なんでなんで？そう見える？」
「はい・・・なんか店長を見る石崎さんの目が愛おしい人を見るような感じなのと、結構店長の部屋に行ったきり長い時間帰ってこなかったりだったので・・・怪しいねって・・・」
「ない、ないから・・・全部業務上のみでのお付き合いだから店長とは・・・関口さん店長が気になるなら今日がチャンスだよ！私も一緒に行くからこの後は店長の部屋で飲もうか？店長けしかけて、部屋呑みにしちゃおう！」
「えっ、いや・・・あの恥ずかしいし、迷惑だと思うのでいいです・・・」
「大丈夫、大丈夫・・・店長どっちかっていうと少人数でしっぽり飲むのが好きだから、どのみち私が付き合わされる事になるのが、関口さんが一人増えるだけだから」
「ん？どうした？」
丁度そこへ戻ってきた。
「店長っ、関口さんが大人数でワイワイして騒がしいから部屋で静かに呑みたいって言ってますけど・・・」
「そうか、じゃあ俺の部屋で３人で呑むか？」
「いいんですか？迷惑じゃ？」
「何言ってるんだよ。大事な部下になる子を迷惑に何か思わねえから、じゃあ二人で酒とつまみを調達して部屋に来てよ、部屋片づけておくから・・・」
そういって部屋へと戻る。
しばらくして浴衣へと着替えた石崎と関口が大量の酒とつまみを持ってやってきた。まずは和気あいあいと雑談をしながら、さりげなく関口には度数の強い酒を次々に呑ませていく。
関口もかなり酔ってきたようだ。徐々に話を下ネタへと持っていく。
「関口は彼氏２２年いないって言ってたけど、バージンじゃあ・・・無いよね？」
「もうっ店長っ、それってセクハラでしょっ！」
石崎が軽く突っ込みを入れてくるも、どうやら大丈夫なようだ。
「一応・・・高校の時に卒業はしてます。でも・・・ナンパのノリでやっちゃって相当自己嫌悪でした・・・その後は私は全然思ってなかったんですけど彼氏面されて、しばらく付きあうような感じでしたけど・・・そのうち向こうから何も連絡が無くなって自然に消滅しました」
「そうなんだ・・・でもずっと彼氏がいないのってホントにもったいないよ、セクハラかもしれないけど関口はホントスタイルも顔も良いし。俺マジでそう思うよ・・・」
そう言ってジッと関口を見つめる。
関口も俺の事をジッと見つめ返す。