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【スポーツ 官能小説】

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〜 始業式・表彰 〜-2

 結局、立派な表彰状は全て『奨励賞』だった。 残りは『旗』だ。 旗といっても、布に刺繍が入ったような立派なものではない。 竹ひごに三角に追った厚紙が張られただけの、いたってシンプルな代物である。

「続いて女性部門で優秀な成績を挙げた生徒を紹介します。 出場した、もしくは賞に該当する生徒は全員その場に立ってください。 部活外活動、相撲団体戦、全総体第6位」

「「ハイッ」」

 数名が勢いよく立ち上がる。

「洋弓個人戦30メートル部門、県総体2位、全総体6位。 50メートル部門、県総体優勝、全総体優勝。 テニスダブルス部門、県総体優勝、全総体ベスト8。 シングルス部門、県総体準優勝、全総体ベスト8。 吹奏楽マーチング部門、広域西区金賞、全国大会金賞――」

「「ハイ!」」 「「ハイッ」」 「「ハイッ!」」

 威勢が良い返事とともに、次々に第4姿勢を解く先輩たち。 耳に入ってくるのは『全国入賞』やら『県優勝』やら、名前だけ聞けば怖気づきそうな迫力だ。 幼年学校時代、身近な人物がこんな大会で表彰を受けるなんて、私には全く縁がなかった。 部活紹介で示された活動内容は、はっきりいって意味不明だ。 それでも、全国大会で上位に入るというのは、それはそれで凄いことではないだろうか?

「――以上、3学期の入賞です。 女性部門なため公式には記録されませんが、記念に旗が贈呈されます。 呼ばれた生徒はこの後檀上に来てください。 副会長から該当の旗を受け取り、大切に眺めてくださいね」

「「ハイ!」」

 当然のように返事をする先輩たちに、え、それでいいの、と一瞬耳を疑う。 
 全国レベルの大会で優勝した人も、中にはいた。 さっきは一々奨励賞という、よく分からない内容でも表彰していた。 一方、全国大会で優勝しても、前に出ることもなく薄汚れた紙の旗でお終いでいいのか? いや、まあ、いいといわれればそれまでだ。 実際のところ、不服そうな生徒は1人もいない。 ということは学園に進学した生徒にとって、部活で達成した全国入賞とは――みすぼらしい旗を眺めて終わる程度の――そんな扱いなんだろうか。 

 一呼吸おいて、

「以上をもって、生徒会からの表彰を追えます。  つづいて、新年度の生徒会メンバーを紹介させていただきます。 新生徒会のみなさん、檀上にあがってください」

 会長の呼びかけに応じ、パラパラとAグループ生が檀上に登る。 メンバーは会長、副会長が草案をつくり、生徒会顧問の教官と相談した結果選んだということで、中には史性寮の先輩もいた。 そして、総勢9名が並んだところで、会長から順に1人ずつ自己紹介があった。 

 最初は『A0番』、生徒会長だ。 先月行われた生徒選挙によって、過半数の得票を得て選ばれたという。 選挙で選ばれたということは、きっと立候補したんだろう。 こんな学園の生徒会長を勤めた所でいいことなんてないだろうに、奇特な人もいるものだ。

 続いて『A4番』、生徒副会長。 言わずもがなだが、私たちの寮長でもある。 A4番さんはしっとりして、それでいてよく透る声だ。 選挙で自分に投票してくれたことに謝意を述べてから、抱負として会長を補佐して学園の運営を円滑に進めたい旨を口にした。 どうやら彼女も立候補したらしいが、副会長になることにどんなメリットがあるんだろう。 私には皆目わからない。

 副会長に続いて『A3番』さんがたっていた。 『書記』を勤め、学園新聞の発行や議事録を作成するという。 

 その隣は『A2番』さんだ。 A3番さん、A4番さんに続き、3人目の寮の先輩である。 彼女は『図書委員長』で、学園の図書目録の更新や、図書館便りの作成、図書館貸出係の分担など、図書全般を管理するらしかった。

 次は風紀委員長。 『A10番』さんは、いかにも運動神経がよさそうな、スマートな体形をしている。 風紀委員長として、学園で不適当な行動をした場合、率先して特別指導を加えるつもりだそうだ。 どんな指導か知らないが、怖い先輩なのは間違いない。

 それから『管理委員長』の『A11番』さん、『体育委員長』のA8番さん、『保健委員長』のA9番さん、『美化委員長』の『A5番』さんが話をしてくれた。 

 管理委員は『学園の備品(生徒を含む)を管理し、調整する仕事』を、体育委員は『体育祭や球技大会、通常体育授業の司会進行』を、保健委員は『生徒の健康を維持する仕事』を、美化委員は『学園を清潔に保つ活動』を任されているという。 生徒会という組織が、細々した仕事を担っていることは何となくわかった。

 最後に生徒会全員が揃って礼をする。 そして会長の、

「これをもちまして始業式を終了します。 生徒のみなさんは教官の指示に従い、教室で課題考査を受験する体勢をとってください。 解散」

 の挨拶で式は幕を下ろし、私たちは2号教官につき従って体育館をあとにした。


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