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Training@Training
【スポーツ 官能小説】

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〜 土曜日・集合 〜-1

〜 2号の土曜日 ・ 集合 〜



 自分のクラスをもってから、一日一日が短くなった。 講義に使用する用具から手伝いの手配だけでも事務作業は膨大だし、カリキュラムの設定も簡単ではない。 各部屋の使用申請、片付けもあれば教室の整備も忘れてはいけない。 そういう裏方作業も含め、学園の教員は、いや、現代の社会人は全てを完璧にこなすことが求められている。 もしも教員という身分の上で失態を重ねれば、学園から追放されるだけでなく、『ランク(格付け)』まで失うことになる。 屈辱と疼痛の果てにつかんだ『Aランク』という名のステイタスは、実質的にどうであれ、私にとって唯一のよすがになっている。 例え限りなく無価値に近いものであったとしても、だ。

 最初の1週間が最もハードなのは、生徒はもちろん私にも当てはまる。 教員としてCグループ2組に一日中はりつく毎日が続けば、自分のことは全て後回しにするしかない。 事務は溜まるし、かといって体力は休まなければ戻らないし、クラスのために補習をだせば私自身も指導対象になる。 補習程度どうにでもなるが、全力で取り組めば疲れるのは当たり前だ。 現にかなり消耗してしまって、今朝は目が覚めてから布団をでるまで10分以上かかった。 寝覚めがいい私にしては相当に稀な朝だった。 そういう意味で、土曜日のカリキュラムは生徒にとって『午前中のみ』という軽い負荷だし、私にとっては『監督すればいいだけ』だ。 いわば生徒、教員両サイドにとってようやく訪れた小休止なのかもしれない。

 そんなわけで、学園最初の土曜日のスタートだ。
 
 キーン、コーン、カーン、コーン。

「起立! 礼ッ!」

「「ご指導よろしくお願いしますッ!」」

「点呼はじめ」

「いちッ」「にッ」「さんッ」「しッ」「ごッ」……。

 朝のHRは全員そろって定刻に始めることが出来た。 規則はそのものに意味があるというより、守ることに意義がある。 22番の号令に続き、点呼もきっちり10秒で済んだ。 委員長としての22番の働きぶりは、今のところ信頼している。 私の顔色を実によく観察しており、自制心も効いている。 

 さて。 登校服を脱いだ、全裸に首輪と靴下、上履き姿の少女たちを連れて移動開始だ。 

 目指す目的地は『体育館』。 C棟から渡り廊下をわたって下足棟にゆき、そのまま建物を出ずにまっすぐ進めば学園の『体育館』がある。 私達2組が一番のりだ。 靴を脱いで素足になり、体育館中央に出席番号順4列縦隊になる。 体育館では『体育館シューズ』としてスニーカーが供与されるが、あくまでBグレード以上が対象だ。 新入生たるCグレードには、衣服を含め最低限の着衣自体を認めていない。 板張りのひんやりした感触は、冷え性になりはじめた少女には不快だろうが、生徒の感想なんて学園としては全く問題にならない。 私語をする生徒は1人もなく、みんな言われないうちに第一姿勢をとり、大人しく私の次の指示を待っている。 第1週を多少厳しいカリキュラムで臨んだ効果だろうか、それとも今年は気が弱い生徒が多いのだろうか。 どちらにしても従順というのはいい傾向だ。

 私達が並び終えたタイミングで残りのCグループ――12号教官の1組と、14号教官の3組――が体育館に現れる。 生徒は一様に強張っていて、一目みただけで怯えているのが伝わってきた。 一方、私の2組はどうだろうか。 一応怯えてはいるのだろうが、パッと見ただけでは感情がいまいち分からない。 みなが私に注視しているので、それなりに落ち着いているように見える。

 私たち2組を挟む形で1、3組が整列し、入学式以来Cグループ全生徒が揃ったところで、私は列の端へ移った。 中央には、私にかわって学年担任団で最もキャリアが長い12号教官がでてくる。 腰に手をあてて胸をはり、生徒を睥睨する姿は、大柄なせいもあって威圧感がただ事ではない。 表情は柔らかいし、目じりは下がって微笑んでいるのだけれど、笑顔を額面通りには受け取れない違和感がある。 場違いな笑顔は、怒りや悲しみよりも白々しい。

「これからみなさんは身体測定を受けて、現時点のみなさんを数値化します。 成長、適性、不適切な部分を把握するために、数字を利用することは非常に有益なことです。 把握するだけではなく、これからどのように工夫すれば社会に役立つ心身になるか、方針を考えることにもつながりますね。 例えば体重と身長にアンバランスがあれば、食事を節制したり、サプリメントを調節して特定の栄養素を増やすことで解消できます。 低カロリー高蛋白にする必要があるならば食事全体を昆虫食に変えてもいいし、逆に高カロリーにするなら先輩から搾乳した脱脂粉乳を配給してもらうこともできますね。 体格や筋力から運動の必要も吟味できます。 球技のような運動の実施によって柔軟性をあげるべきか、ウェイトトレーニングで筋肉そのものを鍛えるべきか、ダンスやランニングで基礎体力を培うべきか。 それとも運動に取り組む以前に、みなさんの汚いチツマンコやケツマンコの内臓筋から取り組まなければならないか。 実際のデータがないことには工夫そのものを始めることすら出来ません」

 シーン、と静まる体育館。 と、ギギィ……倉庫の扉が開く。 体操服――例によってきわめて丈の短いポロシャツで、バカバカしいほど大きく『番号』と『クラス』を大書したものと、V字型のハイレグ状なホットパンツで、太腿は付け根まで露わになったもの――に身を包んだ体育委員と管理委員が、それぞれ測定器具をもって現れた。 新入生の身体測定は、計測するのは生徒会で教師はあくまで監督役、という流れになっているという。



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