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【スポーツ 官能小説】

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〜 日曜日・宣告 〜-2

 ドクン、ドクン、ドクン。

 口の中はパリパリに乾いている。

「一度しか言わないから、よく聞きなさい」

 頭上から小さな声がふってくる。 見上げれば正面を向いたままの先輩が、先輩自身に言い聞かせるようにして、

「立場が下のうちは、誰かの指示に従う以外、未来が開けることなんてない。 逆にいえば、誰もが誰かの指示に従い続けて、知らないうちに未来へむかって進んでいく。 そういう風にして、みんな必死で進んできたし、これからもきっと繰り返すんだよ」

 一語一語を噛みしめるように呟く。

 このトーンには覚えがあった。 声こそ小さいものの、初日、私の肩を掴んで話してくれた時とおんなじだ。 おざなりではない感情だ。 押し殺した声の底に、確かな熱が籠っている。

「私たちは、まだ自分で正しく考えられる段階じゃない。 自分自身を信じていいのは、他に信じられる人を見つけてから。 その人に認めてもらって初めて、自分の想いを形にできる。 絶対に自分を信じてはダメ」
 
「はい」

 先輩は私を一度も見下ろさなかったけれど、私は這ったまま顔だけを上げて返事をした。 
 
 シュルリ。 片足を真上に伸ばして器用に抱える。 下着を履かない下半身が露わになり、陰毛を丁寧に処理した土手が、くぱぁ、開いた。 空いている手でドアをノックする。 

 コンコン。

「マンビラ拡げて失礼します。 B29番です。 寮監様、入室許可を願います」

「はあい、どうぞ〜」

 おっとりした声に覚えがある。 入寮初日、私の頬を何度も何度も引っぱたかれた。 声の柔らかさとビンタの烈しさのギャップが烈しすぎて、痛いと感じるより、むしろ気持ちが悪かった。

「失礼します!」

 足をおろしてドアノブを回す先輩と、ついてゆく私。 教室のサイズを一回り小さくしたような造りで、片隅にベッドやデスク、棚やテーブルと家具が並ぶ。 床は、廊下と違って塵1つないぴかぴかのフローリング。 ニスを塗ったばかりなんんだろうか、木目が揃った壁には艶も光沢も揃っており、総じて清潔な寮監室だった。 違和感といえば、部屋のもう片隅にならぶ各種大型器具。 磔用の十字架、三角木馬、伸長強制具、圧搾機等々……用途は敢えて考えまい。

「こっちにいらっしゃい」

「ハイッ」
 
 部屋の中央にある回転式のソファに腰かけ、手招きする豊満な肉体。 胸許のボタンが飛びそうになっていて、どうしても胸に視線を集める彼女が、私達の寮監、9号教官だ。 先輩は行進調で寮監の前にゆき、再び右脚を持ち上げる。 今度は左足でたったまま右足を『胡坐』に組み、足首が臍にあたるよう抱えた。 下付きの膣が陰唇に埋もれ、股間のスジがくっきり見える。

「この後がつかえています。 報告は手短にお願いしますね」

 ゆったりと座って足を組み、鷹揚に促す9号教官。 対してB29番先輩は眉ひとつ動かさず、

「ハイ。 同室寮生29番ですが、学園生活の継続は困難と考えます」

 淡々と答える。 一切仮借することなく私を否定する台詞は、私の微かな希望を無残に打ち砕くに十分な破壊力をもっていた。

「あらあ。 理由を聞かせて頂戴」

「ハイ。 思慮不足、応用発想皆無、羞恥心や逃避性向ばかりが目立ち、自主的に取り組む姿勢がみられません。 集中力も気力も乏しく、気持ちから既に折れています。 何よりも言語能力が未熟で、私の真意を組みません。 いつも自分に都合のいいよう曲解し、勝手に楽観的になる点は、学園生活を営む上で致命的だと判断しました」



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