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【スポーツ 官能小説】

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〜 日曜日・模範〜-1

〜 29番の日曜日 ・ 模範 〜


 鉄棒を使っての乳首オナニー。 ちゃんと達するところまでいけたし、笑ってもらうこともできた。 きっと合格をくれるに違いない。

 そう思って、先輩に四つん這いで近づいた時、背後から素っ頓狂な声がした。

「あれっ。 砂場だったら誰もいないかなーって思ったのに」

 首輪を引いたBグループ生。 食堂で見かけたような気がするから、きっと史性寮の先輩だ。 首輪に繋がれた少女は誰だろう? 背筋が綺麗にカーブして、お尻を小気味よく左右に揺らし、足は全く曲がっていない。 情けない筈のドックスタイルが、束の間モデルのように感じた。

「先客がいるなんて困りました。 ねえ『ニック』、『にに』も砂場で遊びたいんですけど、今って使ってるとこ真っ最中です?」

「別に。 こっちは『芸』が終わったところだから、次は『にに』が好きに使っていい」

「やったー、ありがとです。 じゃ遠慮なく使わせてもらうとして、22番、その場で気をつけ」

「ハイッ」

 四つん這いを解いてサッと踵を揃えた少女は、クラス委員長の『22番』だった。 どうしていいか分からない発問に対して物怖じせず、しかも正答に辿り着く生徒。 学園生活が始まって1週間も経っていないけれど、おそらくクラス全員が彼女には一目置いている。 ほとんどの生徒は、途方に暮れた時、とりあえず22番の動きを真似ているんじゃないだろうか。 かくいう私自身がそうで、22番は知らないだろうけれど、何度も彼女に助けられた。

「遅い」

 B22番先輩が苛立たし気にリードで22番の乳房をはたいた。 私からすれば全然遅くない。 それどころか、号令してから姿勢を変える動きを含め、今まで見た中で一番早いくらいだのに。

「ハイッ! ありがとうございます!」

 すぐに四つん這いに戻る22番。 

「気をつけ」

「ハイッ!」
 
 ササッ。 さっき同様、無駄のない動きで直立する。

「う〜ん、ギリギリですけど、特別に許してあげます」

「ありがとうございます!」
 
 ハキハキした返事。 全裸に靴、靴下、首輪にリードという恰好とは裏腹に、自信に満ちて迷いを感じさせないトーンだ。

「お待ちかねのショータイムっ。 砂場で『芸』をみせてください。 タイトルは、そうですね〜、う〜ん迷います〜、う〜んう〜ん」

 眉間に皺をよせて考える小柄なBグループ生は、22番を連れているということは、B22番先輩だろう。 B22番先輩も、22番も、2人ともあっけらかんとした顔つきだ。 曇りや澱みが全然ないことが逆に怖い。 少なくとも22番は、何をいわれるか分からない不安に包まれているだろう。 なのに全然表に出さないなんて、怖いを超えて悍(おぞ)ましさすら感じてしまう。

「参りました。 いいのが思いつかないです。 ここは1つ『ニック』にお願いします」

「私?」

 怪訝そうに眉をひそめるB29番先輩。 

「『にに』のタイトルだと、コイツってそれなりにこなすんです。 それはそれで癪なんで、せっかく同じ砂場を選んだ者の誼(よしみ)ですよ。 代わりにタイトルをつけてください」

「別に構わないけど……責任は直属の先輩にくるんだよ? 『にに』が自分でつけた方が後腐れがない分、そっちの方がいい気がする」

「またまたあ。 『ニック』なら安心です。 いいから、さ、さ。 早くタイトルコールをどうぞです」

 『ニック』『にに』は、先輩同士の綽名(あだな)みたいなものだろうか。 とすればB29番先輩は『ニック』と呼ばれていることになる。 『ニック』、『ニック』、『ニック』……。 スラリとして男っぽい先輩には『ニック』の語感は似合っているな、と思った。

「本当にいいの? つけろっていうなら適当につけるよ。 私は22番がどんなのか知らないし、もしかしたらてんで見当はずれになっちゃったら、収集つかなくなるかもだし」

「いいから早くっ」



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