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【スポーツ 官能小説】

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〜 土曜日・集合 〜-3

 口を引き結ぶ50番。 もう彼女は喋れない。 喋ろうと口を開けば鮮血で床が汚れてしまう。 新入生とはいえ1週間近く経過した現在、不用意に学園を汚すべからざることを叩きこまれているハズだ。 

 このままでは終わらないと判断したのだろうか。 12号教官が自分のクラスに手を振った。 

「49番さん。 その辺にしなさい」

「あ、は、ハイ! ……はあ、はあ」

 49番の呼吸が荒い。 恐らくは運動の延長で、50番の痛みなんてお構いなしに打擲を続けたからだろう、相手の心配より自分の腫れた掌を庇っていた。

「結局1人でもクズがいることは、クラス全体の問題なわけです。 2、3組さんを待たせたお詫びに、みなさんできちんと総括しなさい。 いつものやり方で、はい、すぐにペアをつくって」

「「ハイッ!!」」

 1組全員が回れ右をし、私達に顔をむける。 そうしておいて2人1組をつくると、

 パン、パン、パン、パン、パァンッ。

 お互いがお互いの頬を思いきり這った。 よろめくのはほんの一瞬で、すぐに向き合って2発目を反対の頬にはる。 たちまち全員の両頬に、ジワジワと赤味を増す『紅葉』が咲いた。 50番と49番も同様だ。 血を含んだ50番の頬は万遍なく真っ赤に染まり、口許からは最後の打擲を耐えた上で血が滲んでいた。

「こうでもしないと、ちゃんと話を聞くこともできなくてねえ。 ごめんなさいね。 それじゃ、説明の続きをしますから、全員私に注目ですよ」

「「ハイ!」」

 ザザッ。 左向け左で、もとの隊形に戻る1組だ。 私たちも姿勢を正す。 2、3組も、さっきより一段背筋が伸びていた。 

 きっと、今の流れは12号教官なりの指導なんだろう。 もしかしたら測定準備ができるまでの時間つぶしかもしれない。 自分の話を聞かなかったらどうなるか、全員に示して注意を引くテクニックだと思う。 まあ、他人の思惑なので確信はないけれど。 12号教官の姿勢が是か非かは問わないが、それでもやるなら、どうせならもっと徹底的にすればいい。 たかがビンタで終わらせる時点で優しすぎる気がする。 私なら、正直多用するつもりはないが、人前で指導すると決めた以上は補習まで引っ張っていくだろう。 『たかが余所見』であるからこそ、トコトン追い詰める意味がある。 まあ、逆も然りとはよくいったもので、たかが余所見で追い詰めてしまえば、結局大変になるのは自分なのだけれど。

「基礎項目に加え、身体の部位ごとに長さ、色合い、大きさ、その他を測定します。 測定項目の順番は問いませんから、空いている項目に並んで、順番がくるまで静かに待つんですよ。 先輩の説明をよく聞いて――」

 なにはともあれ12号教官の説明が再開した。 体育館のステージ前では、準備を終えた先輩たちが、膝を揃えて端坐していた。 


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