投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Training@Training
【スポーツ 官能小説】

Training@Trainingの最初へ Training@Training 1 Training@Training 3 Training@Trainingの最後へ

〜 土曜日・集合 〜-2

「測定データはみなさんの首輪に記録されます。 測定項目は身長、座高、体重……」

 不意に口を12号教官が口を噤んだ。 視線の先には、彼女が担当する1組の生徒がいる。

 薄っすら茶色い巻き毛の少女。 顔はもちろん、お腹にも胸にも青い痣がいくつもあった。 寮の食事と薬効成分にとんだ入浴、強化した皮膚であれば大抵の傷は一晩で完治する筈だ。 それでも痕跡が残っているということは、相当こっぴどくやられたことが伺える。 

「50番さん?」

「……ッ」

 やさしく首をかしげる12号教官。 『50番』と呼ばれた巻き毛の少女は、傍目に分かるくらいビクリと震えた。

「貴方、どうして余所見をするの? 準備してくれている先輩が、前に立って話をしている私よりも気になるの?」

「あ、あ……」

「お返事は?」

「も……も、申し訳ありませんでした!」

 声をはりあげる50番。 目をギュっと閉じて口を結ぶ。 

 本当に余所見をしたのだろうか? 私はCグループ全体、特に自分が担当する2組を見ていたので彼女について断言はできないが、見たとしてもチラ見程度だろうと思う。 とはいえ教員と生徒の関係において、教員の方が常に偉く、常に正しい。

「ふう。 2号さん、14号さん、ちょっとだけ、余計にお時間いただけます?」

 わざとらしい溜息をつき、眉をよせる12号教官。

「「はい」」

 学園に年功序列がないといっても、そういわれて断ることも、疑問を呈することも礼儀に反する。 水を向けられ、私と14号教官は小さく短く即答した。

「どうしようもないでしょう? 1組だ、なんていったところで、中にはあんなゴミもまざってるんですよ。 2、3組のみなさん、ごめんなさいねえ。 みなさんは、ちゃあんとお行儀よく躾けられているのに、まったく……49番、注意してあげなさい」

「ハイ!」

 言うが早いか、隣の少女が50番の髪を掴む。 

「どうして先生の話を聞けないわけ!? アンタのためだけに、クラスが恥ずかしい思いをしてもいいってこと!?」

「そんなこと――あうっ」

 パシィッ。 小気味よい打擲が頬にとんで、50番は仰け反った。

「言い訳する気!?」

「だって、だってあた――ジィッ」

 パシィン。 更に甲高い一撃。 踏鞴(たたら)を踏むも、50番はすぐに元の姿勢になる。

「歯をくいしばる!」

「はひ……!」

 バシッ、バシッ、バシッ、バシッ。 

「アンタのためにッ、わざわざッ、先生がッ、注意してくれてッ、いるんだからッ」

 バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ。

「いい加減ッ、弁えたらッ、どうなのってッ、いってるのにッ」

「っぷっ、ぎっ、ひっ、いっ、あっ、ふっ、うっ、ぷっ……!」

 往復どころか延々とビンタが続く。 懸命に姿勢を保つ50番に対し、クラスメイトというのに49番は全く容赦がない。 私がビンタするときは、例えば対象が呼吸する間くらい与えるが、そこは少女の浅はかさで、兎に角強く早く叩いている。 あれでは息も継げないだろうに、叩かれる身の辛さは分かっていないのだろうか。

「もっとちゃんと謝れないの!?」

 パシッ。

「もっ、もうしわけ――えぷっ」

「遅い! やり直しッ」

 パシッ。

「もうしわ――あぶっ」

「遅い遅い遅すぎる!」

 パシッ。

「もうし――いぎっ!」

「また舌噛んで……ぐず、のろまっ」

 パシッ。

「っ……っ……」

 間髪入れず叩いておいて、謝れなんて無茶だ。 50番の唇から赤い滴が、ツー、口許から流れる。 どうやら深く舌をきったらしい。 喋っている最中に頬を張られれば、誰だってそうなることだ。 泣きだしたり蹲ったりしないだけ、個人的には頑張っている方だと思うが、1組的には足らないんだろう。 誰も同情の気配を見せない。



Training@Trainingの最初へ Training@Training 1 Training@Training 3 Training@Trainingの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前