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プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

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K-2

21時過ぎ。
だいぶ遅れて澄田と飲み会に合流した。
澄田は先輩に促され、手前の席にそそくさと座った。
「じゃーね、すみちゃん」
陽向は澄田に声を掛けて手を振った。
澄田は笑顔でお辞儀した。
奥の方の席で同期たちが手招きしている。
ものすごくホッとする。
「お疲れぃ!」
既に酔っ払っている七瀬が陽向にハイタッチを求める。
パチンと鳴って、笑い合う。
楓と七瀬の間に座り、前に座る律、青葉、瑞希を見て自然と顔がニヤける。
「何ニヤニヤしてんの?陽向」
「えー、だってみんなが揃うことってそうないからさ。嬉しくて」
同期が6人もいれば、休みなんて被ることはほとんどない。
みんなと飲める日は2ヶ月に一度くらいだ。
だから、今日みんなと飲めるのが本当に嬉しい。
「あははー!ホントだよね。今度は6人だけがいーね。あ、そーだ、陽向何飲む?」
「うんとね…ビール!」
「やっぱりー?!」
瑞希は「さすが!」と笑って近くの定員を呼びつけた後、先輩にも飲み物を聞いてくれた。
飲み会慣れてんな…と思う。
しばらくしてビールが目の前に置かれた時、陽向は目を輝かせた。
「かんぱーい!」
「早いって、陽向ー。そんな喉渇いてんの?」
「渇いてるよー!」
グビグビと喉を鳴らしながら飲む。
仕事終わりのビールは最高だ。
「っあーーー!最高!」
陽向の言葉に同じ席にいたスタッフが爆笑した。
「いい飲みっぷりだねー!でも、風間お酒弱いじゃん」
進藤が茶々を入れるが、陽向は「全然イケますってー!」と笑った。
その時。
頭をポンッと叩かれた。
「風間じゃーん!やっと来たか!」
「あー!里見先生!お疲れ様です!」
里見一馬は今年循環器内科に配属された研修医だ。
病棟でも患者の話やプライベートの話を結構しているので、割と仲がいい。
ビールを片手に現れた里見は「私服初めて見たー!」とふにゃっと笑った。
里見は誰にでも優しくてノリがよくて、それでいてジャニーズに入れるんじゃないかと思うくらいの爽やかイケメン。
しかも将来は医者。
非の打ち所がないとはこの事だと思う。
「飲み会は初めてですもんね」
「そーだな。ま、これからももっと飲み行こうよ!」
「えー!ずるいー!あたしも行きたいし!」
瑞希がギャーギャー言う。
そういえば、前に「里見先生ホントにイケメン!」と言っていたことを思い出した。
別に好きとかそーゆーんじゃないと思うけど、お気に入りだと思う。
「お?矢野ちゃん企画してくれる?」
「もちろん!絶対来て下さいね!」
「行くよー!」
気付いたら里見は隣に座っており、七瀬は別の席で楽しそうに笑っていた。
陽向は里見にゾッコンな瑞希を見ながらケラケラ笑っていた。
「風間、お酒足りてる?」
「えっ?」
カラッポになったグラスを見て里見が声を掛けてくる。
「何飲む?」
「あー、うーん……」
里見がメニューを持って来てくれる。
「あ、すみません」
「いーえ」
陽向はメニューと睨めっこした。
何飲もうかな…ビールはもう飽きたし、甘いのは嫌だし、でも日本酒とかそーゆーのもやだしなぁ…。
なにより、酔って目が霞んで上手く文字が読めない。
陽向が頑張って目を凝らしていると、隣から里見の笑い声が聞こえた。
「優柔なの?」
「わりと……。てかよく文字が見えなくて…」
「もう酔っ払ってる?ひなちゃんお酒弱いもんねー?」
茶々を入れる楓に「うるさいなー」と言い、パシッと叩く。
「ホントの事でしょ?」
「ウソではない」
その言葉に周りが爆笑する。

その後、陽向はダウンして真っ赤な顔で楓の膝で眠っていた。
緊張なんて、同期の顔を見たらどっかいった。
あの時、結局ノリで泡盛を飲まされグデングデンになってしまったのだ。
「ほらー、言わんこっちゃない。お酒弱いクセに飲むからなー陽向は」
楓は陽向のほっぺたを叩き「ホラ、二次会だって」と声をかけた。
「ふん……」
「あーダメだ。完全に寝てる。……二次会もお寝んねかな」
「帰らせたら?」
七瀬が心配そうに言う。
「あたし、家近いし送ってくよ」
「いーよいーよ、七瀬幹事でしょ?いなきゃ困るって。それに陽向、いつもこんなんだけど今日は先生たちもいるから二次会までは頑張りたいって言ってたんだよね、この前。結局こんなんなっちゃったけどさ。だから二次会までは引きずってでも連れてくよ。もしかしたら起きるかもしんないし」
「そっか」
七瀬は困ったように笑いながら楓の腰にしがみつく陽向の左腕を優しく肩にかけた。

「ぁー……」
「大丈夫?」
「まぶしい…」
目を背けると、「おい、大丈夫か?」と声を掛けられ、肩を叩かれる。
「んーっ!やだぁっ!」
陽向は目の前にあった身体にしがみついて目を閉じた。
「ホント可愛い!子供みたい」
そんな声が聞こえる。
頭に疑問符を浮かべながら見上げると、そこには進藤がいた。
えっ……
嘘でしょ?
なんで?
いきなり冷静になり、状況を確認する。
はっとなり、しがみついていた手を離すと、進藤はクスクス笑った。

やってしまった……

「あ…あ……進藤さん…ご、ごめんなさ………あぃっ!!!!」
慌てて起きた時、思い切りテーブルに頭をぶつけた。
自然と涙が零れ、酔いが醒める。
「ホントにバカだなコイツ!」
横にいた瀬戸が爆笑する。
陽向はそれどころではなく、思い切りぶつけた頭を抑えて痛みに耐えるのに必死だった。
「なー、ホントにお前バカッタレだな。おバカちゃんって呼んでもいい?」
「絶対イヤ!」
「瀬戸さん、からかうのやめて下さいよ。これでも風間は成長してるんだから。ね?」
「ウン」
「ウンって先輩に言ってんじゃねーよ」
「あ…ハイ……」
「んもーーー風間ってば可愛いんだから!」
突然進藤に抱き締められる。


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