第２０話-2
だが、そんな抵抗、槇村が応じるはずもなかった。
「いいのかな？これ・・・今すぐ平山くんを起こして見せようか」
ポケットからパンティを取り出し美香の前に差し出した。
「そ、それも・・・困ります・・・」
とは言ったものの、槇村が大人しく引き下がる訳がない。今更全てが用意周到に準備されていた事だと気づいた所で既に遅く、完全に美香の負けだった。
「それじゃあ、私も困るよ。食事中に旦那さんの前で指だけでこんなに濡らしたやらしい奥さんに何もせずに帰るなんてね・・・」
槇村は持っていたパンティを裏返し、やや乾いてはいるが５００円玉くらいのシミが出来た中心を美香に見せた。
「さぁ、最後の忠告だよ。黙って立ち上がりスカートを捲り上げるか、そこで寝ている平山くんを起こすか・・・」
この言葉はただのきっかけに過ぎない。こうなった以上美香の選択肢は１つしかなかった。
何より、指で感じさせられ、下着を脱ぐよう命じられた後もはしたなく愛液を溢れさせた身体が槇村を欲していた。
よほど大きな物音さえ出さなければ一度眠った浩二がそうそう起きるはずがないと熟知している美香は、今すぐ起こされ浩二に裏切り行為が発覚してしまう事よりも、この後訪れるであろう快感を逃したくない気持ちが勝っていた。
皮肉にも昨夜の浩二との中途半端な夜の営みが美香の疼いた身体に拍車を掛けてしまっていた。
何も言わず、ゆっくりと立ち上がると俯いたままスカートを両手で持ち上げ、少し足を開いた。
槇村の目の前には何も覆われていない秘部が露わになると同時に甘酸っぱい女の匂いが鼻を刺激した。
お尻のすぐ下には浩二の顔が、股間の前には瞳を輝かせた槇村の顔があった。
「ふふっ。ようやく素直になってくれましたな。おやおや、まだ触ってもいないのにここまで垂れて・・・」
浩二が眠ってからの責めに新たな愛液が溢れ、立った途端に内腿まで垂れてしまった愛液を槇村は嬉しそうに舌を伸ばし掬い取るように下から上へと這わせた。
「くぅっ・・・」
たったそれだけで感じてしまい、思わず声を漏らしてしまった。
槇村の舌はどんどん上へと進み、やがて秘部に到達するとそのまま割れ目の中へ潜り込ませ前後に動かし始めた。
ピチャピチャ・・・ピチャピチャ・・・と舌が動く度にやらしい音が響く。
「んんっ・・・くぅん・・・」
必死に声を出さないようにスカートを持っている手を強く握り、歯を食いしばる。
その姿が槇村を興奮させ、声を我慢することで余計に感度が増しているように思えた。
「ふふっ。いつまでそうやって我慢出来るかな・・・」
槇村もスリルを楽しむように立ち上がり、今度は指を秘部の中に入れ美香の一番感じる所を捉え刺激していく。
クチュクチュクチュクチュ・・・ピチャピチャピチャピチャ・・・
「んんんんっ・・・ううううんっ・・・」
声は我慢出来ても秘部から止めどなく溢れる愛液の音はどうしようもなかった。
「ほら、奥さん。どんどんやらしい汁が溢れてくるよ。気持ちいいなら我慢しなくても大きな声出していいんだよ。平山くんに本当の姿を見せてあげたらどうかな・・・」
槇村の的確な指責めと言葉責め、そしてすぐ後ろには寝ている浩二がいるという背徳感に美香は大きな快感に襲われ立つ力を失うほど膝を震わせていた。
「ふふっ。立って居られないほど気持ちいいのかな」
槇村は一度秘部から指を引き抜くと愛液で濡れたその指を美香に見せた。
「こんなに糸を引いてる・・・旦那がすぐ傍にいるのに・・・」
わざと指を開きそれを見せつけ楽しんでいる。
「ヤッ・・やめて下さい・・・」
浩二を起こすまいと小声で呟き恥ずかしそうに下を向く姿が槇村をさらに悦ばせる。
興奮した槇村は何を思ったか愛液で濡れた指を浩二の鼻に近づけた。
「ほら平山くん、やらしい匂いがするだろう？君がぐっすり寝ているその隣で愛する奥さんが私の指で感じた匂いだよ」
「ほ、本当にやめて下さい・・・」
浩二に匂いを嗅がれている。今は眠っているとわかっていても愛液で濡れた指を呼吸している鼻が吸っている。
そう思っただけで美香自身も興奮し、理性はまた少し奪われ愛撫を中断された秘部からは愛液が溢れだしていた。