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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 御挨拶 〜-3

 排泄が終わったものから順に、顔を後ろに向け、お尻を掲げて更に開く。 竹刀を手にしたA生の先輩方に『ご挨拶』を確認してもらうためだ。 それなりの量であれば、先輩は竹刀の先で肛門を貫き、グイッと回してスポンと抜く。 この竹刀の動きが肛門の洗浄であり、排泄物へのOKサインでもある。 ちなみに量がすくなすぎたり、窪みからはみだしたりすればOKは貰えず、代わりに思いきりお尻をひっぱたかれる。 そうなったら、もっと気張って便を出すか、先輩の特別指導を受けるかの二者択一になってしまうため、肛門に竹刀が触れた瞬間の安堵感は、排泄の解放感と相俟(あいま)って何物にも代えがたい。
  
 あたし達は自分の排泄の後始末を自分ですることが許されておらず、目上の方に頼まなければならない。 トイレットペーパーのような贅沢品を使わせてもらえるわけはない。 最初は、こんなのじゃ汚れが取れるわけがないように思えた。 しかし特殊な薬液が沁ませた竹刀らしく、快便であれば竹刀の一撫でで事足りるのだ。

 竹刀は5人の先輩が1本ずつ手にしている。 先に便を終えたものから確認してもらえるので、みな争って勢いよく排泄する。 排泄が遅れたものは、他の人の肛門を拭った竹刀が自分の肛門に入れられるわけだから、気分がいいはずもなかった。 幸いあたしはA3番先輩がすぐ近くにいたので、真っ先に確認して貰えた。 肛門で竹刀を受け入れる際に力を抜き、竹刀が引っ張られる時に力を籠めれば、より排便残滓が綺麗に落ちる。

 確認が済めば、小水の後始末が待っている。 この場に限り、B生もC生も区別なく『窪み』で股間を拭くことが許されているので、あたし達の排泄物がついていない部分をみつけ、股間を擦りつけるのだ。 屋外で腰を落として足を広げ、地面に股をおしつける。 獣以外の何者でもないけれど、これが寮の下級生に課された排泄の作法。 

 『窪み』に跨ることから始まって、排泄物を確認してもらい、小水の始末をつけるまでの作業を総称し、寮では『ご挨拶』という。 排泄を管理されることが、自分たちのすべてが誰かの管轄にあることを一番実感させてくれる。 『起きて真っ先にすることが、自分達のミジメな立場を自覚すること』だというのは、とても学園らしいと思う。

 小水の始末を終えたものから、部屋に戻っていいことになっている。 登校の準備をして、7時30分に食堂に集合するのが朝の流れだ。 隣で気張る恵子も、私から数分遅れてようやく肛門を拭ってもらえたらしい。 腰の下には、黒々とした戸愚呂がうず高く積もっていて、それに勝るとも劣らない大きさの水溜りが窪みの中にできている。 

 あたしの視線に気づいた恵子が、耳まで赤くして俯く。
 苦笑してしまう。 冷静に排泄物の特徴を見ていただけなのに。 『こんなにいっぱいだして、恥ずかしいコ』だとか『おしっこいっぱいでたねえ』だなんてからかうような世界じゃないのに。

 ……本当なら、私だって、先輩はもちろん後輩にも自分の便を見られているのだから、恥ずかしがらなくちゃいけないのだ。 それが普通なんだろう。 だけどそんな普通、あたしの中のどこをさがしても見つからない。 あたしどころか、学園にも、寮のどこにも、跡形もない。 

 じれったく小水を拭う恵子を促し、あたし達は部屋に戻った。 『ご挨拶』を終えたのは全体でみたら5、6番目。 中々順調といえると思う。 
 
 空は雲一つない真っ青な晴れ。 
 ただよう糞便の薫りがなければ、Here Comes The Sunを地でゆく最高の朝になるだろう。


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