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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 入浴 〜-5

 残すは足の指、そして足の裏である。 
 潜り椅子を通りぬけ、へしゃげた蛙のように腹ばいになる。 先輩の足許に顔を近づけ、上目遣いに舌を這わせる許可を願うも、やはり先輩は私を見てはいなかった。

「このままおゆひを、ひつれいしまふ……あんむ……あむ……」

 右の親指を口に含む。 足のように短くて指同士が近い場合は、壺洗いは無理があるのだ。 ジェルのとろみで足の指全体を包みながら、舌で爪先をつつき、指の股をけずるように舐める。 親指の次は人差し指、中指、薬指、最後に小指と、一本ずつ丁寧にしゃぶる。 入浴作法そのD『指啜り』だ。 次第に垢が口に溜まり、独特な生臭さが籠り始めるが、ジェルの甘みが残ってたので吐気にまでは至らなかった。 学園で便を含まされた経験に比べれば、正直どうということはなかった。

 ジェルを排水溝に吐きだし、残った石鹸に手を伸ばす。 私は『私の髪に』石鹸を擦りつけてから、額を床につけて土下座した。 浴場の床だけに額を通じて温もりがあった。 

「お……お足を拝借しますっ。 よろしくお願いします」

 先輩の足首に手のひらを添え、そして右足の裏を後頭部にのせ、自分から踏みつけられる恰好をとる。 それからボディソープをまぶした髪で、足の裏、横、くるぶしをゴシゴシ擦った。 これが先輩から教わった最期の入浴作法『髪洗い』だ。 古来女の象徴である髪で、もっとも汚れが著しく紊乱な足の裏とその付近を擦ることで、洗浄する誠意を伝えるという。 自分が大切に伸ばしてきた髪が、靴底以下だといわれているようで、この所作は、悔しいというよりはミジメで哀しい。 右足につづいて、左足を押し戴くように頭にのせて、私は洗った。 もし先輩が足に力を籠めたとすれば、例え微かな力であっても踏みつけられた顔が床にへしゃげただろうけれど、そういうことは全くなかった。 


 ……。


 髪洗いを終えてから、備えつけの普通のシャワーで、先輩についた泡をすべて流した。 髪、顔、背中、手……特に人差し指や股間は、宝石を磨くように洗ったつもりだ。 シャワーを終えて脱衣所に戻ると時計が9時35分を指していた。 入浴作法で、私は30分近く先輩の身体に密着していたのだ。 不自然な姿勢が何度もあって体力的には厳しかったけれど、あっという間の30分だった。 

 正直なところ、上手くできたかどうかは分からないが、自分でも不思議なくらい身体が自然に動いてくれた。 自分の身体を洗う段は最低だったけれど、先輩を洗う段は、叱られなかったということはきっと合格なのだろう。

 先輩の身体からは、傍にいるだけで石鹸の気持ちいい香りが届く。 同性の身体に自分自身を擦るのは、相手の温もりや肌触りも含め、無条件にもっと嫌悪すべきものと思っていた。 その感情が相手によって変化するものならば、B29先輩と相部屋になったことに、感謝するべきなのかもしれない。 

 来た時と同じ服をつけ、やはり先輩の背中についていきながら、そんなことを考えていた。

 


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