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バリ島奇譚
【SM 官能小説】

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バリ島奇譚-7

…ああっ…ううんっ、ううっ…

ユリエのからだが無意識に、のけ反り喘ぎ出す。からだの中に澱んだものが、ふわりと舞い上が
るように波を打つ。彼の唇が乳首の先端を擦りあげ、舌で撫で回す。舌の上でユリエの乳首が
ときめき、嬉しそうに転がる。どこからか漂ってくるレモン汁のような匂い。いや、それは彼の
匂いではなく、ユリエの中で潤み始めた果実の匂いなのだ。彼女はその自分の匂いを、懐かしい
ものにでも出会ったかのように、胸一杯に吸い込む。

クトゥに弄られる乳首が熟れた実のようにふくらみ、やがて紅色の潤みを孕み始める。微熱を
含んだ乳房が彼の掌で気が遠くなるほど優しく揉みしだかれる。彼の指は優雅な植物の茎のよう
にしなやかで細く、ピンク色の爪先は真珠のように麗しく耀いていた。

クトゥはユリエの乳首を交互に摘みあげるように吸い続け、彼の潤んだ睫毛が肌に触れるほどに、
まるで鳥の羽毛で肌をくすぐられるような火照りを感じた。やがて彼の片方の掌がユリエの鳩尾
から下腹部にかけて、ゆっくりと動き始める。彼のガラス細工のような繊細な指は、彼女の靡い
た陰毛のあいだを掻き分けながら肉の割れ目へとゆっくりと迫ってくる。そのとき、彼女の中の
熟れきった無花果の実が、呪縛から解き放たれるように少しずつ裂け始めていく。



窓から見渡す密林におおわれた海岸が黄昏色に染められている。紫色に耀くバリの海は鏡面のよ
うになめらかで透明だった。海は瞬きはじめた星の光を吸い、空に舞う黒く不気味な鳥群の翳り
はまるでユリエの情念の狂騒を孕んでいるようだった。

ベールのような腰布の上から、ユリエはクトゥのものに掌をあてる。こんもりと盛り上がった生
地の下のものは、すでに勃起し微かに濡れているのか、薄い生地に透明の液が滲み出ている。彼
のものの微熱がじんわりと掌に伝わってくる。ユリエはそのふくらみに頬をすり寄せる。耳をす
ますと彼の小刻みな息づかいが、まるで鳥の啼き声のようにふくらんだペニスから聞こえてくる。

彼女は彼の腰布をゆっくりと剥いでいく。太腿のところまで脱がせるとブルンとした肉根が可憐
なキノコのように頭をもたげる。そのまわりは少女のような淡く薄く生えた陰毛に覆われていた。
どこまでも瑞々しい包皮は、すでにほどよい湿り気をもち、薄紅色の亀頭を半分ほど包み込んで
いる。細くもなく、太くもないそのペニスは、うぶな熱を微かに帯びながらココナッツの汁の
香りを漂わせている。

かわいいペニスだわ。小さくつぶやいたユリエの言葉に、クトゥがはにかんだような表情をする。
彼女は彼の股間にゆっくりと顔を埋めていく。ペニスから漂う甘い匂いが鼻腔の奥をくすぐる。
それは、まるで密林の奥に芽生えた植物の蕾に溜めた不思議な匂いだった。彼女はクトゥの紅色
のペニスの先端にゆっくりと唇を触れた。細かい織物のような包皮の皺が優雅に刻まれ、淡緑の
血管だけが薄く浮き出している。ユリエの唇によって少しずつペニスの芯が引き締まり、さらに
硬く勃起すると、雁首の肉縁が蜜色の光沢を放ちながらえぐれ、細い溝を露わにする。

彼女は雁首の溝に舌先を這いまわしながら、まるで男の唇にキスをするように肉縁を唇で啄む。
さらに、ペニスの先端をつつくように舌先を小刻みに蠢かせると、彼は上体を悩ましくくねらす。
ユリエは舌先をペニスの裏側の縫い目に沿わせながらその根元に迫っていく。そのとき頬に触れ
た珠袋の中で、ぬるりとした睾丸がまるで囚われた小鼠のように蠢いた。



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