第16話-1
「ぁぁ……」
菜穂の股を開かせた後、天野は内腿を摩るようにして手を移動させ再びパンティの中に入れた。
「ところで奥さんは、2年間も旦那さんにセックスをして貰えなかった間どうしていたんですか?女性も時にはムラムラする事だってあるのでしょう?」
「……」
「そういう時は、こうやってここに指を入れて1人で慰めていたんじゃないですか?」
そう問いながら、太い指を1本菜穂の膣にゆっくりと挿入する天野。
クチュゥ……
「ン……ハァ……」
「どうなんですか奥さん。オナニーしてたんでしょ?」
「し、知りません……」
恥ずかしそうに弱い声で否定する菜穂。図星を突かれ明らかに動揺している表情は、天野に簡単に見抜かれてしまう。
「ハハッ、分かりやすい人だなぁ、嘘を付くのに慣れていない感じがまた良い。ほら奥さん、オマンコがよく濡れてるから簡単に指が根本まで入っちゃいましたよ。」
天野はニヤニヤと楽しそうに笑みを浮かべ、挿入した指を膣内でクイックイッと曲げてみせた。
「あっあっ……」
「気持ちイイところがあったら言ってくださいね。たっぷりしてあげますから。」
「ン……ぁ……ハァ……」
「ここですか?」
クチュクチュクチュ……
「あっあっ、ンァ、ハァ……ダメ……」
菜穂は何も言っていないのに、天野は巧みに菜穂の弱いポイントを探り当ててきた。
「ここが気持ち良いんですね?オマンコがヒクヒク反応してますよ。」
「やめ…て……ンァ、ハァ……」
「良い締まり具合だ。指一本だけなのに吸い付いてくるようですよ。」
クチュクチャクチュ……
「イヤらしいマン汁がどんどん溢れてきますよ、ほら、これ見てください。」
天野は一旦パンティから手をを抜くと、トロッとした濃厚な愛液をまとって濡れた指を菜穂の目の前で見せつけた。
「い、イヤ……」
「奥さん、もうこれも脱いじゃいましょうか。こんなに染みができていたら、穿いてても気分が良いものではないでしょう?」
天野はそう言って、菜穂のパンティに指を掛ける。
「あっ、だ、ダメ……」
口ではそう言っても、菜穂の抵抗はとても弱いものだった。
パンツを下ろされないようにと防ぐ手も、実際はただ添えている程度で、簡単に天野に退かされてしまう。
抵抗は形だけ。
どっちみち裸にさせられてしまうのだと、菜穂も自身も分かっていた。
「奥さん、腰を少し上げてください。」
「……。」
「そうしないと、パンティが破れてしまいますよ。」
そこまで言われて、菜穂は観念したように小さく腰を上げた。
すると天野はそのタイミングで一気にパンツを足元まで脱がした。
「きゃっ……」
そして足首からパンツを抜くと、天野はそれを遠くに投げ捨てた。
「ぁ……」
「奥さん、ついに裸になっちゃいましたね。」
「ハァ……見ないで…ください……」
「いいや、しっかり見させてもらいますよ。私はあなたの全てが見たいんですよ、全てをね。」
天野はしばらく菜穂の裸体に見惚れているようだった。
透き通るような白い肌、滑らかな曲線美、セクシーに引き締まった見事なくびれ、成熟した女性らしく十分に丸みを帯びた腰と豊かな乳房。
そして上品な乳首と、控えめに茂った陰毛。
その全てが芸術品のような輝きを放っている。
「なんて綺麗な裸なんだ、奥さん。」
菜穂の顔はただただ羞恥に塗れた表情を見せている。
だがその潤んだ瞳や表情、紅潮した肌さえも、天野を欲情させる材料にしかならない。
「あなたは本当に美しい。だからこそ、私はあなたが乱れた姿も見たいんです。」
そう言うと天野は再び菜穂の膝を掴み、脚をM字に折りたたむようにして左右に股を大きく広げた。
「見せてください。あなたが女≠ノなる時の顔を。」
天野の言葉の一つ一つが、菜穂の心を刺激する。
女
その言葉を聞いて菜穂は考えてしまう、ここ数年の自分の生活を。
――私はずっと、女として扱われてなかった――
子供を持つ母親にはなったけれど、それでもまだ女である事には変わりはないのに。
智明は、私を女として扱ってくれなかった。
もちろん多忙でそれどころではなかったのだろうけど、寂しかった。
セックスなんかより日々の生活の方が大事だと、自分自身にも言い聞かせて誤魔化してきたけど、
本当は、とても寂しかったの。
ずっと、我慢してた。
セックスどころか、キスだって全然してくれなかった。
男と女の関係が欲しかった。
男の人とキスしたい、男の人に抱かれたいって……
そこまで思考が巡ったところで、はっとして首を横に振る菜穂。
――何考えてるの私……ダメ、今そんな事考えちゃ……!――
それでも今まで心の奥に抑え込んでいた女としての感情が、どうしても溢れ出てきてしまう。
そして菜穂の心のガードが甘くなった所を突くように、天野は再びヴァギナに指を挿入してきた。
「ン……ンァ、はぁあ!」