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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 額縁 〜-1

〜 9号の寮 ・ 額縁ショー 〜

 ワタシが4年前に寮に入ったころを思い出す。 右も左も分からない新入生だったワタシにとって、寮長よりも誰よりも、直近の先輩を束ねる副寮長が怖かった。 突然怒鳴られ、指導と称して殴られ、食事や休息を取り上げられた。 同部屋の先輩と副寮長がいなければ、当時のワタシが泣いた回数は1/100以下になったと思う。 いつか絶対見返す決意と意地だけで、当時の寮生活を乗り切れたことが自信になり、今のワタシがここにいる。

 紆余曲折を経て、今年でBグループも3年目の古参になった。 学園での自分の呼称も、Bグループ筆頭たる『B1番』に変わった。 寮監の9号教官からは、念願の副寮長筆頭に選んでもらった。 今度はワタシが指導する番だ。

「『チツマンコ』丸出し、貧相丸出しで失礼します! 35番であります! あたしが初めて『マンズリ』したのは学園主催の合宿であります! 学園の方に指導していただき、『クリチンポ』をシコシコして、くっさい『オマン汁』をピュッピュッとだして絶頂したのであります! よくわからなくなってしまい、『あー、あー、ふあー!』と喘いだのであります!」

 一息つく35番。 小柄なそばかす顔は、眼鏡と相俟ったせいか、地味で印象が薄い。 
 ワタシ直属の後輩でもある『1番』が自己紹介を始めてから、既に1時間が経とうとしていた。 こんなに時間がかかった主な原因はワタシが『1番』を何度も指導したからだが、中途半端な自己紹介をされるよりはずっといいし、1時間なら十分許容範囲内だ。

「寮生活の目標は次のとおりであります! 『マンズリ』経験の少なさを補うため、毎日朝起きたら真っ先に絶頂します。 進級までに、いつでもどこでも30秒以内に絶頂できるようになります! ご指導よろしくお願いします!」

 地味なりに、大きな声で挨拶を締める35番。 
 最初こそAグループ生全員が何かしら呟いていたが、ここにいたっては無言で頷くだけである。飽きた、というよりはコメントすることがないのかもしれない。 寮長も小さく頷いてくれた。

「ありがとうございます。 35番は席に戻る!」

「ハイ! ありがとうございました!」

 35番は行進風に腕を振り、足をあげて席に戻った。 地味ではあるが、顎をひいて背中を伸ばした姿勢は中々だ。 一礼して椅子に座る仕草にも、そこはかとなく品があった。

 さて。 大声で紹介する新入生がいなくなった。 例年であればここで寮長に一言頂き、御馳走様、同室になる先輩が後輩を部屋へ案内となる。 しかし今年に関しては、そうは問屋が卸さない。まだ全員の自己紹介が終わっていないし、終えようがないのだ。 入寮日なのに30番がいないという状況はワタシ達の落ち度ではないが、キチンと自己紹介させられなかった点は償う必要がある。 それが史性寮における、連帯責任というものだ。 それが分かっているので、食堂に入ってからこのかた、B30番は苦虫を噛み潰した顔をしていた。

「B30番、前にでろ」

「はい。 失礼します」

 やたらと叫ばされたり、大声を張らされたりする新入生とは一味違う。 歩き方はといえば、やや歩幅が広いくらいで、これも普通だ。 Aグループ生は勿論のこと、Bグループ生にも落ち着いた返事は許されている。 ワタシ達は室内を移動するときに手足を振って行進することもない。
 逆説的かもしれないが、一挙手一投足が規制されずとも自分の身分を自覚できたとき、Bグループへの進級が認められるのかもしれない。 要するに、Cグループの1年を無事にこなして進級してしまえば、日常の挙措の範疇において、自然体が許可されていた。 新入生のように第3姿勢をとることもなく、『気をつけ』をとるB30番。 かといってだらけているわけでは決してなく、ピンとまっすぐ伸ばした背筋から緊張感が伝わってくる。







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