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喰われる人妻 菜穂
【若奥さん 官能小説】

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第11話-2

「そうですよ、何も私はあなたに不倫をしてほしいと言っているわけじゃないんだ。今夜だけの単なる遊びですよ。」


単なる遊びと言われるのは、女として軽く見られているようで不快だったが、でも逆にその方が良いのかもしれない。

少しの間だけ心を無くして、事務的に事を済ませればそれで終わりなのだから。

もちろん、菜穂にそう思わせるのが天野の作戦である。

そして菜穂はそんな天野の術中に、まんまと嵌ってしまう。


「……あ、あの、この事は智明には……夫には……」


「もちろん知られる事はありませんよ。今夜の事は奥さんと私だけの秘密です。それが大人の遊びのルールってもんです。」


それを聞いて、菜穂はまた考え込むように俯いた。

そんな菜穂の肩を天野が抱き寄せる。


「では奥さん、私の要望に応えてくれるんですね?」


覚悟が決まっている訳じゃない。

でも天野はすぐに答えを欲している。もう決めなければいけない。

菜穂の頭の中はパニックになっていた。酒が入っているのもあるのだろう。追い詰められた状態で冷静に物事を考える事なんてできなかった。

ハッキリしているのは、自分が犠牲になれば、全て事が上手く収まるという事だけ。

私が耐えればいいの。

そう、私が耐えれば。智明のために。

だから智明……許して。


そして菜穂は俯いたまま、小さな声でこう答えた。


「……分かり……ました。」


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