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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 歓迎 〜-1

〜 歓迎 〜



 あっという間に炎に包まれた鞄の山。 私のナップサックには衣類や文具の他に、両親の写真が納まった写真立てや、子供の頃から大切にしてきたテディベア。 最低限の、逆に言えばどうしても離せないものだけをつめた鞄だ。 他の鞄だって同じことだろう。 教室内での着衣すら認められない学園で、素直に私物を渡してくれるとは思わなかったけれど、まさか燃やされるとは想像していなかった。 ショックが大きすぎてリアリティが全くない。 
 
 ただ、炎から伝わる熱は本物だ。 思い出がつまった鞄が灰に変わるのを見るに耐えなくて、私は引率する先輩の、カッチリした肩の造詣に目を凝らした。 29番が先頭を、次に22番こと私、続いて2番という風に列をつくって先輩に従った。

 玄関に下足箱はない。 先輩は外履きのまま寮に入る。 私たちも続く。
 まず『寮監室兼受付』とプレートが下がったを右に曲がり、自動販売機が数台並んだ廊下を進む。 右側には『A』と金文字が張られた部屋が5つあり、左側には銀文字が張られた部屋が続いていた。 銀文字は年季が入ってかすれており、かろうじて『洗濯』『掃除具』『リネン』といった単語が判別できた。

 突き当たりの左側に上へと続く階段がある。 私たちは先輩に続いて突き当たりを右に折れた。 現れた格子戸を開くと、急に広々したスペースにでる。 寮全体は『コの字』型をしていたから、真ん中の部分にあたる場所だ。 白い長机が並び、パイプ椅子が机のホックにかけてある。 奥にはカウンターにトレイ、布巾に食器、調味料と思しき容器が並んでいて、一目でここがどういう場所か理解できた。

 食堂だ。

 白い長机には六人掛けで、それぞれの席には番号札が立ててある。 番号は無印が1〜35、Bの印付が1〜35、それぞれ向かい合わせになっていた。 例えば私の近くにある机は、片側に『1』『2』『3』と番号札がならび、反対側には『B1』『B2』『B3』と並ぶ寸法だ。 長机は縦に4つ繋がっていて、そんな島が3つ並んでいる。 

「自分の番号をみつけて、椅子をだして座りなさい」

 入口まで案内してくれた先輩は、それだけ言うと来た道を引き返してしまう。 取り残された私たちは、とにかく自分の番号を探し、おっかなびっくり椅子に座った。 椅子の表面に張り型を備えているわけもなく、いたって普通のパイプ椅子だった。

 まず部屋に案内されるのかと思っていたら、そんなわけでもないらしい。 普通に食事をとらせてもらえる気もしないし、寛いでお喋りできるわけもなく、静かに座ってまっていると、

 ギイ。

 私達が入ってきた入口と反対側のドアから、揃いの服装をした集団が現れた。 
 Bグループ。 先輩たちだ。

 紺に白線が入ったカラーのついたワイシャツ。 左胸に『B』のワッペンがついている。 胸元をはだけた上に赤いリボン式ネクタイをつけていて、ポツンとシャツ越しに分かる胸の突起から、ブラジャーはつけていないと見て取れる。 私が学園に入る前に着ていたセーラー服と基本的によく似ているが、全く違うはシャツの丈だ。 全員が腹筋もおへそも丸だしで、胸がぎりぎり隠れるくらいの丈しかない。 大きな胸をしている先輩の中には、隠しきれずにシャツから乳輪をはみださせている人だっている。 胸を強調する紐状の服をきた私達に比べれば遥かにまともな服ではあるが、羞恥と無縁ではいられない恰好だ。
 スカートも、私達が幼年学校で履いていたそれと比べれば、笑うしかないくらい丈が短い。 股間を隠そうという意図がまるで感じられず、歩いただけでお尻の割れ目がスカートの端から覗いてしまう。 そのせいで先輩たちはブラジャーに加えてパンツも履いていないとわかってしまった。 
 唯一まっとうなのはストッキングで、股関節近くまで白いストッキングで覆っている。 けれどスカートが短すぎるせいで、清楚なはずの純白が、逆にはしたない印象を醸していた。

 腿をあげるでもなく、恥ずかしがるでもなく、私たちに興味を示す素振りもみせず。
 Bグループの先輩方は、淡々と自分の席につく。 私の前にも髪をアップにした先輩――机の番号から察するに、おそらくB22番――が座った。 

 Bグループのうち、数人は席を素通りして奥へゆくと、銀のボウルとスプーンをトレイに載せてもどってきた。 配膳の係なのだろうか。 私たち新入生の前は素通りし、Bグループの前にだけ、キチンと揃って銀色の食器を並べてゆく。 

 そうこうするうちに、私達が食堂に入った扉が開いた。 私達を引率してくれた先輩がBグループ揃いのショートなセーラー服姿でつけて入ってきて、29番の前に腰をおろした。 それとほとんど同時に、Bグループとはまた違った服装の生徒が入ってきた。



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