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ブレない中年ペドフィリア
【ロリ 官能小説】

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息子と彼女-1

最初の日、ベッドで横になった清淵を裸のエレオノラは見下ろして、そのズボンに手を入れた。探り当ててしっかりと握った。見るのにはまだ勇気がいるようだった。清淵は、のしかかるエレオノラを引き寄せ、汗ばんだ白い腋の下に長く口付けした。エレオノラはくすぐったさに笑ったが、清淵は低く唸り声を漏らした。清淵が脈打つたびに手の中が生ぬるく濡れていくのをエレオノラは感じた。手を出して開いてみると、知らないふうに強くにおった。エレオノラはすぐ、何が起こったのか理解した。この男は、自分の腋のにおいを嗅いだだけで射精したのである。エレオノラは、清淵の愛情の深さを思いやった。同時に清淵に悪いことをしたと感じた。しかし、清淵がエレオノラより先に謝った。謝罪の意味を子供のエレオノラは分かりかねたが、ごめんねとこちらも男に返した。そして、清淵の顔の前で掌を丁寧に舐めてみせた。
腰を抱かれたと思ったら、エレオノラはもう男の顔に座っていた。エレオノラも触れたことさえない隙間のかどまで舌が潜り込んで、めくっては掻き回した。強い痒みに似た気持ちよさと鳥肌がエレオノラの全身に広がっていった。桃色の光に満たされたかのようにうっとりとなったエレオノラは、その時、この世の全てを許してもいいと思った。
その余韻が冷めないうちに清淵はエレオノラに招かれた。だからエレオノラの魂にとって、清淵は永遠に許すべき相手となった。結婚を知らない十三歳のエレオノラに、結婚しようと清淵は持ちかけられていた。パパのを無駄にしない体にもうすぐなるのだとエレオノラは言う。しかし、痩せて少年のようなその体に、女の花の季節はまだ訪れる気配すらなかった。訪れたら、と清淵は思った。それは、心まで女に変わる時なのだ。
ある金曜日、清淵は突然、あした会いたい旨の連絡を息子から受けた。時間はエレオノラと会う予定に重なっていた。二人のことは一種の密会でもあったし、学校や練習もあって、普段こちらからエレオノラに連絡を取るのは難しい。清淵は、エレオノラが来てから事の次第を話すしかないと思った。息子の頼みもエレオノラの約束も断りにくかった。場合によっては一緒に会うのもやむないものと考えた。
翌日、アパートに来て清淵の話を聞いたエレオノラは、まず、清淵の不安をすべて体で掬い取ってやった。そして取り敢えず同行することにした。運びは清淵の予想通りだったが、そもそもが苦肉の策である。エレオノラは六時に帰らなければならなかったので、今日の短いあいびきと、終わりまで清淵に付き合えないことに実は内心不満であった。
指定の喫茶店で顔を合わせた清淵と息子とは、案の定、共にエレオノラの存在に戸惑った。しかも息子はエレオノラの顔を知っていたのである。温かい感情を交わしたこともなく、母との過去についても、教育的な配慮からお茶を濁してきた清淵は、息子に今さぞかし異様な人物として映っているのだろうと思った。別腹の娘が既にいるのだと付けそうな嘘も、エレオノラほどの有名人を連れていたのでは冗談にすらならない。
この息子は、やはり親と同じく高卒で仕事に就いていた。もう勤めて四年になるから二十二歳であった。母に似て気の強そうな顔付きをしているが、顔立ちは美しかった。また、母と暮らしてきたせいか、女の気持ちの表し方に慣れており、そのため一層女受けが良かった。清淵は、エレオノラの心が息子に靡くのではないかと気にしている自分に気づき、驚いた。
「どういう関係」
当然の質問であった。
「婚約者です」
エレオノラが即答した。
清淵の居たたまれなさはいよいよ高まった。エレオノラは確かに自分にとってかけがえのない存在である。彼女をいくら賞賛しても足りないくらいに思っていた。しかし、それを表すことは、息子に対して不甲斐なく感じてきた親の恥部をもう一つ曝け出すことに他なるまい。父親がロリコンだった。これは、個人の問題ではなく、関係性を孕む謂いである。子供の自我と世界観とを駄目にする危険があることなのだ。清淵は、息子にもエレオノラにも、自分の存在そのものの罪悪を心の内で詫びざるを得なかった。自殺することを瞬間的に思い浮かべた。
息子は、かすかに鼻で笑って
「で、どうやって知り合ったわけ」
と清淵に尋ねた。清淵は答えず、
「今日は何の用だった」
と返した。
「ああ、今度結婚することになったんだ。式がすぐだから、父さんには直接渡したいと思って」
そう息子は言って、結婚式の招待状を差し出した。ありがとうと清淵は言った。実は自分のほうから息子に距離を置いていたのだろうか。歩み寄られたようで清淵は動揺していた。
「お前、どうせ電車なんだろう」
清淵は言うと、相手の返事を待たずにワインを注文した。
若い息子は、飲んで話すことを大人の仲間入りを果たしたかのように感じて楽しんだ。清淵も、初めて息子と打ち解けることができたと思った。エレオノラはそのあいだじゅう、ときどきジュースに口を付けては清淵にしなだれかかっていた。
エレオノラのことに話題が行きそうになったとき、
「パパ、あたし、もう行かなきゃ」
とエレオノラが立ち上がった。清淵も、送っていくと言って席を立った。勘定は済ませておく、また飲もうと息子に言い、エレオノラに付いていった。
帰る途中、エレオノラは無言だった。真っ直ぐ前を見て歩いていた。清淵にはそれが耐え難かった。そして、
「そういう女っぽい態度、やめてくれないかな」
と言った。エレオノラは、きっとした目で振り向くと、
「あたしはパパの『おんな』です」
と返し、清淵にキスをした。


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