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桃香(tousyan)
【調教 官能小説】

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秋麗-3

 母娘となるべく引き合わされた桃香と秋麗はすぐに打ち解けることが出来た。
 強制と自発、それぞれ理由は異なっていても、性玩具として生きた経験は通じるものがある、お互いがお互いを認め合うのに時間は必要なかった。
 しかも、二ヶ国語を操ることが出来、点字を扱える秋麗は桃香にとって最高の母親であり、幼い頃に家事全般を身につけていた桃香は秋麗にとって最高の娘だったのだ。
 

 幼い頃は山中で、10歳からは幽閉され、娼館から一歩も出ることのなかった桃香にとって日本での生活は驚きの連続だった。
 全くと言って良いほどに社会性が身についていなかった桃香には見るもの全てが目新しい、街を歩くだけで眩暈を起してしまう程に・・・山中ではボロを纏い、幽閉生活では一枚の布も与えられず、娼館ではお仕着せのガウンしか着たことがなかった桃香は自分が着る服を選べることすら想像できなかったのだ。
 7年にわたる食事制限のせいで桃香の食は極端に細くなり、肉や魚はごく少量しか受け付けられなくなっていたが、桃香にとっては食べ物を自由に選択できることそのものが驚きであり、ごく薄い塩味しか知らなかった桃香にとっては何を食べてもその美味しさに感動してしまう、初めてパフェを口にした時は思わず涙を流したほどに。

 秋麗はそんな桃香が可愛くて仕方がない。
 そして桃香にとっては自分を娼館から連れ出してくれた熊谷と自分を娘として受け入れてくれた秋麗は恩人そのもの、感謝してしすぎることはないと感じていた。
 好きなところに行き、好きな人と暮らし、好きなことをし、好きなものを味わい、好きなものを見聞きする・・・それらは全て桃香とは縁のないものだったのだから・・・天から与えられたはずの寿命を全うすることすらも・・・。
 


 そして、秋麗がその身に起こった不幸を逆手にとって会得した皮膚感覚。
 それを伝授できる相手は、同じように点字を読むために指先に神経を集中する術を知っている桃香を置いて他にない。
 秋麗から桃香へ、継母から娘へ・・・その秘術は伝えられた。

 元より全てを男の快楽のために人工的に造り上げられた芸術品である、そこにかつて日本中の男を唸らせた秋麗の皮膚感覚までが備わり、桃香がこの新しい母国で日の目を見る、いや、輝かしいスポットライトを浴びる準備は全て整った。

 桃香が18歳の誕生日を迎えた翌日、秋麗は熊谷にその事を伝えた。


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